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伊藤友樹、体重12キロ減量で「飢餓状態」経験

 『魔法戦隊マジレンジャー』(2005年、テレビ朝日系)で小津五兄妹の長男・マジグリーン/小津蒔人役を演じた伊藤友樹(28)が、映画『SPINNING KITE(スピニング カイト)』(加瀬聡監督、5月18日公開)でパンクバンドのベーシスト役に初挑戦し、大人でも子供でもない繊細な年代を好演している。

映画『SPINNING KITE』でパンクロッカーを演じるため12キロの減量もやりとげた俳優の伊藤友樹 (C)ORICON NewS inc.

映画『SPINNING KITE』でパンクロッカーを演じるため12キロの減量もやりとげた俳優の伊藤友樹 (C)ORICON NewS inc.

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 同映画は、中学時代からの腐れ縁の4人、純(中村倫也)、文次(内野謙太)、城戸(伊藤)、真木(醍醐直弘)は、バンドを組んでいたものの、19歳の今となってはそれぞれが事情を抱えていた。未来に怖気づきながら憧れとあきらめの葛藤の中で生きる姿を、千葉・木更津を舞台に、電線に糸が絡まっている凧(ゲイラカイト)のようにもがいてもどこにも行けず空回りしている青春の光と影を丁寧に描き出した作品。

 『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011』で注目され、各国のインディペンデント系映画祭・映画賞で12部門以上の受賞&ノミネートを獲得。フェリーニの『青春群像』、ルーカスの『アメリカン・グラフィティ』を彷彿させる青春もの佳作と評価も高い。

 伊藤は「4人の登場人物はそれぞれ個性的であるとともに、4人いるけど一人の人間を見ているような気がしたんですよね。それは作者である加瀬監督自身が投影されているのかもしれないけれど、観客は4人の誰かに自分を重ねて観ることもできるし、4人に起こる出来事すべてが一人の人間に起こりうる話として観ることもできる」とみどころを語った。

 撮影は2009年から2010年にかけて行われ、「青春をやり直すことができた」と懐かしそうに振り返った。もともと音楽が好きで、キターやベースを弾くことができる伊藤は、自前のベースで撮影に臨み、現場では演奏経験のないほかのキャストにアドバイスや指導をしながら、本物のバンド仲間と過ごすようだったという。パンクバンドということもあり、体重を12キロもしぼって「飢餓状態」を経験したのも、今となってはいい思い出だ。

 「カメラの前で自然に演じようと思っている時点で自然じゃないんだけど、お腹がすいた状態では、そういうことを考える余裕がなくて(笑)。それが、結果的によかったのか、カメラの前で城戸として行動することに、真実の感情がついてきた。お腹は減っていたが、俳優として満たされていた」と充実ぶりを語った。

 映画『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』(2003年)などに出演し、10代からキャリアを重ねてきた伊藤は「10代の頃は、いまを一生懸命生きるというより、あれもやりたい、これもどうにかしたいと先のことばかり考えて、焦ってばかりいた気がします。当時を知る人に久しぶりに会うと『だいぶ丸くなったね』『当時はずいぶんとんがっていたよね』と言われたりして…」と苦笑い。自分の進むべき道が見えずに悩む時期が若い頃には誰にでもあるものだ。「いまはつらいことやつまずくことがあっても、生きていればそういうこともあると思えるようになって、20代半ばを過ぎて、視野は広がったのかもしれない」と前を向く。

■加瀬聡監督、“電線に絡まる凧”は実体験から

 映画『SPINNING KITE』の監督・脚本を手がける加瀬聡監督(37)は、フリーランスの映画助監督として、多種多様な作品に携わり、同作が劇場用長編映画デビュー作となる。千葉県館山市出身で、同作の舞台となった木更津で高校時代を過ごし、実際に電線に絡まる凧を見たことがあったという。「今の自分みたいだと思った」実体験が同作の原案になった。

 「木更津から海の向こうに見える東京が近いようで遠くに感じる感覚が、青春時代のなんともいえないモヤモヤした感情に似ていると思って。20歳の頃から書き始めて、何度も頓挫して、ようやく形にすることができました。映画監督の青春期の卒業制作(笑)。この作品を仕上げなければ、次の作品に進めない。それくらいの情熱で作り上げました」。

 映画監督になる夢をあきらめなかった加瀬監督は、同作をきっかけにキャリア豊富な新鋭として、一躍注目されることに。「37歳になったいま、また凧が絡まっている感じがします(笑)。周りの友達も離婚したり、会社から独立したり、二度目の分岐点を迎える年齢になったいま、このタイミングでこの映画が撮れて、本当によかったと思っています」。

 青春のモヤモヤまっただ中の若者にも、現状から脱出しようともがいている中年にも通じる普遍的なメッセージが心を揺さぶる映画『SPINNING KITE』は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013 10周年プレイベントとして5月18日(土)より東京・テアトル新宿で1週間限定レイトショー(連日後9:00〜)で公開される。

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  • 映画『SPINNING KITE』でパンクロッカーを演じるため12キロの減量もやりとげた俳優の伊藤友樹 (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『SPINNING KITE』の加瀬聡監督(右)と 
  • 映画『SPINNING KITE』は5月18日より東京・テアトル新宿で1週間限定レイトショー公開(C)SPINNING KITE PARTNERS
  • 映画『SPINNING KITE』は5月18日より東京・テアトル新宿で1週間限定レイトショー公開(C)SPINNING KITE PARTNERS
  • 映画『SPINNING KITE』は5月18日より東京・テアトル新宿で1週間限定レイトショー公開(C)SPINNING KITE PARTNERS
  • 映画『SPINNING KITE』の加瀬聡監督(右)と出演俳優の伊藤友樹(左) (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『SPINNING KITE』の加瀬聡監督(C)ORICON NewS inc.

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