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“心の満足度”を重視〜4大メジャーが洋楽コンピCD制作

 メーカーの垣根を越えて制作された邦楽ヒット曲のコンピレーション『青春歌年鑑』(00年)。これに大いに触発される形で02年に発表された『僕たちの洋楽ヒット』のシリーズの後継作が4月にリリースされた。国民すべてに認識されるようなスターがおらず、ヒット集のセールスがはかばかしくない……いや、ヒット集を組むこと自体が各社難しくなっているこのご時勢に、往年のヒット曲とはいえ総計344曲収録という大ボリュームで挑む意味は何なのだろうか。

『僕たちの洋楽ヒット デラックス1955-1989』(2枚組 全8タイトル)

『僕たちの洋楽ヒット デラックス1955-1989』(2枚組 全8タイトル)

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 「何より企画編集の力をリスナーに感じてほしかった」と語るのは、EMIミュージック・ジャパンST1部主任の多田行徳氏。「今はiTunesなどの普及で楽曲単位での購入が可能になり、“好き好きに”楽曲集を作って楽しめる時代。とはいえ、アップされていない音源や、記憶から抜け落ちてしまった音源は必ずあるはずなんです」。それを補完できるのは、やはり編集力の結晶たるフィジカル作品。胸を張ってリスナーに届けたいと多田氏は語る。

■ヒット曲との再会、名曲との新たな出会いを再提案

 ビートルズやツェッペリンなどの超の付く大型アーティストの楽曲は収録されていないが、「むしろ『あーそうそう、この曲!』と誰もが膝を打つような楽曲で満載にしました」と、監修を務めたディスク・ジョッキーの矢口清治氏。それは、「誰の曲か知らないけど、今流れているこの曲が好き」という層によって、実はヒットの根幹が築かれている図式に目を向けているからに他ならない。加えて、時代を経て“聴く価値あり”と選りすぐられた曲のパワーは絶大と矢口氏は話す。

「ヒット曲の真価は年を経ないとわかりませんが、少なくとも今も生き残っている曲には、未来の音楽土壌を豊かに耕す力がある。ラジオという媒体が、そこを疎かにしてきた自戒の念も込めて断言します」

 「もうひとつ、ある種の危機感も、この企画を商品化させる大きな原動力としてありました」と打ち明けるのは、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル マーケティング2部1課課長の関口茂氏。それは、現在の音楽市況を鑑みるに、果たして10年後に同企画をCDというフィジカル商品としてリリースできるのかという危惧。「もちろん杞憂で終わってほしいですが、今がこういう大作を制作できる最後のチャンスかもしれない――そんな使命感にも似た想いが実はありました」(関口氏)

 作品の性質上、ターゲットは40代以上。ゆえに出稿を新聞中心にし、4月いっぱい毎週連続で広告展開する長い露出を試みた。肝心なのは発売日の打上げ花火ではなく、万事じっくり検討する世代へ向けた“リマインダー機能”だというわけだ。また、「ぜひメディア関係者にも訴求することを願う」と矢口氏。伝播する力は、それを伝える人間が盛り上がっていればいるほど強力なバイブを発するからだ。

 最後になるが、作品の根底をなす選曲コンセプトは「あなたが15歳でもきっと好き」。懐かしさや郷愁に訴えかけるだけではない。いい曲は時代を超えて人の心を打つという、信念に裏打ちされたコンセプトだ。
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