お笑いコンビ・COWCOWの多田健二が20日、東京・台場のフジテレビで行われた一人芸日本一決定戦『R-1ぐらんぷり2012』で初優勝を遂げ、昨年まで4年連続で決勝に進出していた相方・山田與志と「お互い『R-1』を卒業して、コンビの活動に力入れたい」と宣言した。

　4年連続で決勝までコマを進めていた山田に代わり、初出場で優勝を決めた多田。「相方はわからないですけど、僕はどっちにしてもこれで最後と決めていた」と不退転の覚悟で決勝の舞台に臨み、見事、優勝という形で最高の結果を残した。

　その裏にはR-1を知り尽くした山田の協力があった。「箱からボールを引く設定にしたらどうかと言ってくれたのは相方で、そこからウケるようになった」。さらに山田は自宅の空きスペースを多田に提供して“R-1予備校”を開校。「そこでネタが練れた。『このネタはやめとけ』とか『短めでもいいから数打て』とか、全部相方のアドバイスどおりやった」と二人三脚で優勝をつかんだ。

　優勝後の記者会見でも山田への感謝があふれる。「相方は僕をうまい具合に動かしてくれる操縦士で、家族の存在です」とコンビ以上の関係を築いた。「コンビで19年やってきまして『M-1』『キングオブコント』『THE MANZAI』でも決勝にはいけなくて…いろいろ苦労したなあと思って、相方のこと思い浮かべたら涙が出てきました」。万感の思いだった。

　来年以降のR-1出場には「卒業」という言葉を選んだCOWCOW。今度はコンビでてっぺんを獲るべく、二人三脚が再び始まった。