16日にすい臓がんのため亡くなった女優・淡島千景さん(享年87)の通夜が25日、東京・文京区の護国寺桂昌殿でしめやかに営まれ、石井ふく子、淡路恵子、熊谷真実、藤田朋子ら著名人、関係者ら400人が参列した。終戦直後からの付き合いだったという石井は「思い出すのは一緒にお仕事をしているときのすごさ。芝居の仕方が清く潔い方でした」と振り返り、淡路も「悲しい何日間かのことをなるべく忘れるようにして、61年11ヶ月と何十日だけを思い出すようにします」と62年の付き合いを持つ先輩との別れを偲んだ。 戒名は「華優院慈篤慶純大姉」。祭壇には8年ほど前に撮影された柔らかに笑う淡島さんの遺影が飾られ、生前最も好きだったというバラをはじめ、スイートピー、かすみ草など8種類計3000本の花で彩られた。棺の淡島さんには紫綬褒章の授賞式などで着たブルーの着物が着せられ、周りには40年以上ベッドの横に置いて語りかけていたというフランス人形や、遺作となったドラマ『渡る世間は鬼ばかり』などの台本が5冊ほど入れられた。
2012/02/25