刑事ドラマシリーズで、主演以外の出演俳優を総入れ替えするという前代未聞の展開に賛否両論が巻き起こっている、TBS系の人気シリーズ第5弾『ハンチョウ〜警視庁安積班』(4月9日スタート、毎週月曜 後8:00)。当然ながら各方面からとまどいや批判を浴びながらも、閉塞感漂うテレビドラマ界に風穴を開けることができるのか。果敢にチャレンジする橋本孝プロデューサーに、狙いを聞いた。
――『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)が、主人公の“相棒”を変えた時もチャレンジだと思いましたが、それを上回るなかなかの実験ですね。
橋本:確かに、チャレンジングで大冒険です。「なんでわざわざそんなことをするんだ」という意見もありました。4シーズンやってきて、シリーズものらしい安心感が出てきたと思ったら…。一方で、常に新しさも出していかないと飽きられてしまう。視聴者をどれだけいい意味で裏切れるか。今回のキャスト総入れ替えは、『ハンチョウ』というドラマを観たことがない人、その存在すら知らなかった人にも注目してもらうためでもあるんです。
――TBSの月曜8時といえば、昨年まで50年も続いた『水戸黄門』があって…。
橋本:『水戸黄門』の合間にやっているドラマというイメージを払拭(ふっしょく)する必要があった。認識を改めてもらうにはどうしたらいいか。新番組を作るくらいインパクトのあることをやらないとダメなんじゃないか。それで、安積の“警視庁への異動”というフィルターをかけて、登場人物たちの人間関係をリセットして、熱心なファンも初見の人もスタートラインをならすことができるんじゃないかと、考えました。
――TBSにとっては『水戸黄門』の穴を埋める新しいドラマの育成、強化が急務なわけですよね。
橋本:今野敏さんの魅力的な原作(ハルキ文庫『神南署安積班』ほか)から生まれた『ハンチョウ』というドラマシリーズをもっと成長させたい。でも、生き残っていくのは難しい。次は約束されていませんから。
――警視庁勤務は原作にはない設定ですね。
橋本:原作者にもご理解をいただいて、ドラマオリジナルのストーリーが展開します。キャッチコピーは「異動先は敵地(アウェー)」。今までチームワークの強さを活かして難事件を解決してきた佐々木蔵之介演じる警部補・安積剛志が、エリートたちが集う警視庁といういわば“完全アウェー”に置かれる。クラス替えで仲のいい友だちと別れてしまったような心細さや、異動や転勤に伴う環境の変化へのとまどいみたいなものですが、極端に困難な状況を安積だったらどう克服して事件解決へ導くのかが見どころになります。
――1話完型のドラマは、「途中をとばしても大丈夫」という気軽さが諸刃の剣とも言えますね。視聴者の興味を惹きつけるための仕掛けという意味での工夫は?
橋本:今シーズンの『ハンチョウ』にはなぜ、安積が異動となったのか? 異動先の刑事部長直下に新設された「警視庁特別捜査一係」はなぜ作られたのか、回を追うごとに謎の真相が明らかになり、次第に安積班のメンバーたちを追い詰めていく展開を考えています。安積班の新しいメンバーたちも実はそれぞれ何らかの問題を抱えていて、それをどう克服していくか、というのも見どころになると思います。
――『ハンチョウ』シリーズが目指しているのは?
橋本:いろんな刑事ドラマがありますけど、『相棒』は社会派から密室ミステリーまで、いろいろなテイストの事件を扱っていたり、『ストロベリーナイト』は原作の作風もあって、現代的な犯罪や猟奇的な事件をリアリティのある演出で見せたりしていいますが、『ハンチョウ』は、最終的なところで人間を描いていきたい。罪を犯すのも人間、めげずに生きていこうとするのも人間。それらをひっくるめて、人間の素晴らしさ、そこにある希望を描いて、視聴者の感情に何か響いてもらえたらいいなと思います。
前シリーズから『ハンチョウ〜警視庁安積班』への流れをわかりやすく説明するエピソード・ゼロ動画が、3月30日(金)深夜0時(=31日)より公式サイト、動画配信サービス「GyaO」等で配信開始となる。
>>『ハンチョウ〜警視庁安積班』エピソード0はこちら!TBS公式サイト|GyaO!
――『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)が、主人公の“相棒”を変えた時もチャレンジだと思いましたが、それを上回るなかなかの実験ですね。
橋本:確かに、チャレンジングで大冒険です。「なんでわざわざそんなことをするんだ」という意見もありました。4シーズンやってきて、シリーズものらしい安心感が出てきたと思ったら…。一方で、常に新しさも出していかないと飽きられてしまう。視聴者をどれだけいい意味で裏切れるか。今回のキャスト総入れ替えは、『ハンチョウ』というドラマを観たことがない人、その存在すら知らなかった人にも注目してもらうためでもあるんです。
――TBSの月曜8時といえば、昨年まで50年も続いた『水戸黄門』があって…。
橋本:『水戸黄門』の合間にやっているドラマというイメージを払拭(ふっしょく)する必要があった。認識を改めてもらうにはどうしたらいいか。新番組を作るくらいインパクトのあることをやらないとダメなんじゃないか。それで、安積の“警視庁への異動”というフィルターをかけて、登場人物たちの人間関係をリセットして、熱心なファンも初見の人もスタートラインをならすことができるんじゃないかと、考えました。
――TBSにとっては『水戸黄門』の穴を埋める新しいドラマの育成、強化が急務なわけですよね。
橋本:今野敏さんの魅力的な原作(ハルキ文庫『神南署安積班』ほか)から生まれた『ハンチョウ』というドラマシリーズをもっと成長させたい。でも、生き残っていくのは難しい。次は約束されていませんから。
――警視庁勤務は原作にはない設定ですね。
橋本:原作者にもご理解をいただいて、ドラマオリジナルのストーリーが展開します。キャッチコピーは「異動先は敵地(アウェー)」。今までチームワークの強さを活かして難事件を解決してきた佐々木蔵之介演じる警部補・安積剛志が、エリートたちが集う警視庁といういわば“完全アウェー”に置かれる。クラス替えで仲のいい友だちと別れてしまったような心細さや、異動や転勤に伴う環境の変化へのとまどいみたいなものですが、極端に困難な状況を安積だったらどう克服して事件解決へ導くのかが見どころになります。
――1話完型のドラマは、「途中をとばしても大丈夫」という気軽さが諸刃の剣とも言えますね。視聴者の興味を惹きつけるための仕掛けという意味での工夫は?
橋本:今シーズンの『ハンチョウ』にはなぜ、安積が異動となったのか? 異動先の刑事部長直下に新設された「警視庁特別捜査一係」はなぜ作られたのか、回を追うごとに謎の真相が明らかになり、次第に安積班のメンバーたちを追い詰めていく展開を考えています。安積班の新しいメンバーたちも実はそれぞれ何らかの問題を抱えていて、それをどう克服していくか、というのも見どころになると思います。
――『ハンチョウ』シリーズが目指しているのは?
橋本:いろんな刑事ドラマがありますけど、『相棒』は社会派から密室ミステリーまで、いろいろなテイストの事件を扱っていたり、『ストロベリーナイト』は原作の作風もあって、現代的な犯罪や猟奇的な事件をリアリティのある演出で見せたりしていいますが、『ハンチョウ』は、最終的なところで人間を描いていきたい。罪を犯すのも人間、めげずに生きていこうとするのも人間。それらをひっくるめて、人間の素晴らしさ、そこにある希望を描いて、視聴者の感情に何か響いてもらえたらいいなと思います。
前シリーズから『ハンチョウ〜警視庁安積班』への流れをわかりやすく説明するエピソード・ゼロ動画が、3月30日(金)深夜0時(=31日)より公式サイト、動画配信サービス「GyaO」等で配信開始となる。
>>『ハンチョウ〜警視庁安積班』エピソード0はこちら!TBS公式サイト|GyaO!
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2012/03/30