女優の杏が16日、東京・渋谷のNHKで行われたドラマ『キルトの家』記者会見に出席した。主演の山崎努とは自身が幼少の頃からの顔なじみという杏は、最初の顔合わせと台本読みの際に「私はこれから覚えていこうと思っていたところだったんですが、山崎努おじちゃまは、すでにセリフが入っていてビックリ。すごく真剣に取り組まなくちゃいけないんだと思いました」と山崎の俳優魂に感服したことを振り返った。

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　同ドラマは人気脚本家・山田太一氏が手がけたオリジナル作。これまでも山田作品に出演してきた山崎は「俳優生活で山田作品に限ったことですが、（脚本を）一字一句しっかり覚えます。これがキツくて拷問のようなんですが、強い個性のシナリオですからちょっとでも間違ってしまうと、なんだか味わいが違ってきてしまう」とこだわりを明かし、「ちょっと喋りすぎたな。でも自分でできることはやったっていう満足感がありました」と明るく語った。

　“生きること”と“誇り”をテーマにした物語は、かつて世の主婦たちの憧れの的だった都会の“団地”が舞台。団地に取り残された孤独な老人たちと被災地から安住の地を求めて団地にやってきた若夫婦がときにぶつかり合いながらも交流し、次第に絆を深めていく様子を描きながら、震災後の日本のあり方とともに庶民の幸せとは何かを問う。

　山田氏は「俳優さんがとってもよかったし、よく考えてくださっていると頼もしく思った。今回は俳優さんを見てください」と満足げ。山崎は、山田氏の言葉を受け「今日はえらくざっくばらんにたくさんお話していただいて、多分これは機嫌がいいんじゃないかな。出来上がりが不愉快だったらこんな風にならなかったのではないかと思います」と安堵の表情を浮かべていた。

　会見にはほかに三浦貴大、松坂慶子が出席。ドラマ『キルトの家』はNHK総合にて前編「はじめての人たち」が1月28日（土）、後編「短い日日のあとに」が2月4日（土）放送。