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オダギリジョー&チャン・ドンゴン「マイウェイ、その先に見えた友情の絆」

 『シュリ』『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ監督の最新作『マイウェイ 12,000キロの真実』が、14日より日本公開される。彼が7年ぶりに描いたのは、日本、ソ連、ドイツの軍服を着て戦い、はるか国境を越えてノルマンディーまでたどり着いた東洋人の真実の物語。同作で、互いに憎しみ合いながらも次第に友情を育んでいく主人公・辰雄とジュンシクを演じる俳優のオダギリジョーチャン・ドンゴンに話を聞いた。

映画『マイウェイ 12,000キロの真実』に主演する俳優のオダギリジョー(右)とチャン・ドンゴン(左)。オダギリジョー:スタイリスト/西村哲也(holy.)、ヘアメイク /砂原由弥(umitos) (C)ORICON DD inc 

映画『マイウェイ 12,000キロの真実』に主演する俳優のオダギリジョー(右)とチャン・ドンゴン(左)。オダギリジョー:スタイリスト/西村哲也(holy.)、ヘアメイク /砂原由弥(umitos) (C)ORICON DD inc 

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 撮影を通してモデルとなった人物の過酷な運命を追体験した2人は、彼の人生を「映画よりも映画らしい出来事」と表現する。そのうえで、オダギリは「それが、あの時代のうねりだったのでしょう」と語り、「1人の韓国人男性が、戦争で生じる様々なうねりに流されなければいけなかったこと自体が残酷だと思います」と往時へ思いを馳せる。

 一方のドンゴンは、韓国で制作されたドキュメンタリーの感想を織り交ぜながら、「外国の兵士になってでも、彼に“生きよう”と思わせたものが何だったのかが気になります」と語る。ドキュメンタリーの中でその部分に触れられることはなかったが、映画では2人の共通の目標として“マラソン”というテーマが与えられた。

 帝国軍人を祖父に持つ辰雄と使用人の息子であるジュンシクは、オリンピック代表の座をかけて争うほどのマラソン選手に成長していく。しかし戦況の悪化に伴い戦場へと足を踏み入れることになった2人は、全く違う道を歩み出す。祖父に憧れ自ら志願して兵士となった辰雄は、勝つためには手段を選ばない冷酷な軍人に。徴兵で戦場へと借り出されたジュンシクは、規律よりも仲間のことを第一に考える心優しい軍人になっていく。

 冷酷非情としか言えなかった辰雄だが、ロシア、ドイツの捕虜として生きていく中で次第と気持ちに変化が現れてくる。その変化を「僕にとっても大切だった」と語るオダギリは、「前半と後半の振り幅が広いほど物語に深みが加わる」と感じたという。だからこそ、前半ではジュンシクに対して非情なまでに厳しく、後半では彼の生き方に寄り添うように支え合う道を選んでいく。

 常に変わらぬスタンスを保ち続けるジュンシクは、「オリンピックで優勝する」という夢を糧に、どのような過酷な状況でも生きる道を選び、最後までその想いを貫き通していく。その純粋なキャラクターに「このような人物は、実在するのだろうか?」と疑問に思ったドンゴンは、監督の「ジュンシク自身は変わらなくても、彼によって周りの人が変わっていく。そういう人物である」という一言で納得し、迷い無く役柄に入り込むことができたと語る。

 終戦から66年が過ぎた日本と、国際法上において現在も北朝鮮と戦争状態にある韓国とでは戦争映画に対する考え方も異なる。韓国で戦争映画が多く作られる理由について、ドンゴンはこう持論を述べる。「戦争映画における残酷で残忍なシーンは美化されることなく、市民に対して“こういう事を起こしてはいけない”という警告の意味も備えています。しかし、韓国で作られる戦争映画の多くはその目的のために作られたものではなく、戦争という人間が経験できる最も厳しい状況の中で溢れ出す様々な感情、それを表現するために多くの監督が戦争映画を撮影するのだと思います」。

 激しい戦場で生きるために前へ進むことを求められた辰雄とジュンシク。2人は、どのようにして過酷な運命を乗り切り、互いを支えあってきたのだろうか。そこには戦争の真実と非常時だけに現れる人間の本当の姿が描かれているのかもしれない。

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  • 映画『マイウェイ 12,000キロの真実』に主演する俳優のオダギリジョー(右)とチャン・ドンゴン(左)。オダギリジョー:スタイリスト/西村哲也(holy.)、ヘアメイク /砂原由弥(umitos) (C)ORICON DD inc 
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