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『いちご白書』『イージー・ライダー』アメリカン・ニューシネマをもう一度

 1960年代〜70年代に米国の映画検閲制度「ヘイズ・コード」からの脱却を目指して一時代を築いたアメリカン・ニューシネマが、にわかに注目されている。東京・新宿武蔵野館では19日(土)より、「語り継ぎたい映画シリーズ」と題して、映画『いちご白書』(1970年)が41年ぶりにリバイバル上映。また、専門学校生の企画による上映会も12月に開催される。どちらも、今は親世代となった公開当時の若者たちが昔を懐かしむだけでなく、「当時を知らない若者たちが新たな発見する機会にしてほしい」と呼びかけている。

1970年公開の傑作映画『いちご白書』(C)1998 Turner Entertainment Company.  All Rights Reserved

1970年公開の傑作映画『いちご白書』(C)1998 Turner Entertainment Company. All Rights Reserved

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 『いちご白書』は、1968年に実際に起きた米コロンビア大学の学園紛争を元にした物語を、パフィー・セント=メリーが歌う「サークル・ゲーム」、ジョン・レノンの「平和を我等に」、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの曲など、時代を代表する名曲の数々をちりばめて描いた青春映画。この映画に触発されて松任谷由実(当時は荒井由実)が作り、フォークグループのバンバンが歌った「いちご白書をもう一度」(歌・バンバン)も大ヒットした。

 実は世界中でいまだDVD化されていないこともあって、多くの人がタイトルは知っているが本編をちゃんと観たことがないという幻の名作になりつつあった。今回、デジタルリマスターされたニュープリントを用意して、41年ぶりにスクリーンで上映。映画のデジタル化に伴い、35mmのプリントで鑑賞できるのもこれが最後の機会になるかもしれない。

 劇場によると、「前売り券の購入者は、当初想定していた50代以降の方よりも30代を中心に学生も含めた若者が上回っている」という。配給会社アンプラグドの宣伝担当者は「アメリカン・ニューシネマは、ほとんどが若い監督の作品。時代が変わっても同じ世代の悩みや葛藤に共感し、希望を持つきっかけになると思う」と話した。

 一方、12月11日(日)に東京・シネマート六本木で『No cinema×No freedom-アメリカン・ニューシネマで起こす自分革命-』を主催するのは、東京・渋谷のバンタンデザイン研究所・映画配給宣伝コースの学生たち。キャッチコピーには「平凡な毎日なんてつまらない。平凡な映画はつまらない。 70年代ニューカウンターが放つ自由への希求」とある。1960年代〜70年代の作品から、当時“現状打破”を試みた映画人たちの熱を感じて、自らを動かす力に換えようという意気込みだ。

 1日限りの上映会で『バード★シット』(1970年)、『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』(1971年)、『タクシードライバー』(1976年)、『イージー・ライダー』(1969年)の4作品を一挙上映。料金は1作品につき前売り1000円、当日1200円。

【動画】映画『いちご白書』予告編⇒


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