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映画『一命』、日本の3D技術を世界にアピール パロアルト国際映画祭で初受賞

 邦画時代劇初の3D映画『一命』(三池崇史監督、10月15日公開)が、9月29日〜10月2日に米カリフォルニア州パロアルト市で開催された『第1回パロアルト国際映画祭(Palo Alto International Film Festival)』で、3D技術を称えるPAIFF & Dolby3D賞を受賞した。美しい日本の風景や荘厳な武家屋敷などの奥行き感を繊細に表現した同作が、ハイテクの本場で日本映画の高い技術を世界にアピールすることとなった。

映画『一命』メイキング写真より 撮影現場で3Dメガネをかけて映像をチェックする三池崇史監督と主演の市川海老蔵

映画『一命』メイキング写真より 撮影現場で3Dメガネをかけて映像をチェックする三池崇史監督と主演の市川海老蔵

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 開催地のパロアルトは、サンフランシスコのベイエリア、シリコンバレーの北部端にあり、パロアルト研究所(かつてのゼロックス研究所)やヒューレットパッカードなどのハイテク企業の本拠地があることで知られ、SNS大手の「Facebook」の本社もある。同映画祭も技術的な観点から映画人の交流を目的として設立された。

 『一命』が受賞したPAIFF & Dolby3D賞は、同映画祭とドルビー社が共同で主催する賞で、ドルビー社がスポンサーとなり、3D映画制作において技術的かつ芸術的な可能性を見出し、今後の映像世界に希望を与える作品に贈られる。受賞作は映画祭の役員やプログラマーが2011年の国際映画祭(ベルリン、カンヌ、サンダンス、トライベッカ)などに出向き、試写を観た作品の中から、ストーリー、技術的な精密さ、作品全体の出来を考慮して選出。5月のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『一命』が栄えある第1回の受賞作として歴史に名を刻むことになった。

 受賞の知らせを受けて三池監督は「日本映画にこのような栄誉を与えていただいたことに心より感謝します。3Dによって2Dの何かが失われてしまうのかの挑戦でした。その結果はこの受賞が示す通り、得るものはあっても失われるものは何もないということでしょう。映画の未来に乾杯です」と喜びのコメントを寄せている。

 1回目の同映画祭には、『一命』のほかに、『スタートレック』『ミッション・インポッシブル』『スター・ウォーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを手掛けたVFXスーパーバイザーのジョン・ノール氏やスタンフォード大学内にあるSLAC National Accelerator Lab(SLAC国立加速器研究所)が表彰された。

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