平愛梨Interview
カンナ役への大抜擢から1年・・・泣いて笑って怒られて、新たな希望を胸に”
邦画超大作『20世紀少年』3部作で、第2章と最終章のヒロイン・カンナ役を演じる平愛梨。オーディションでその大役をつかみとった平は、この作品にかける、誰よりも熱い思い入れを持つ。この1年間で、女優として、そして女性としての大きな成長を感じさせる平に、“泣いて笑って怒られた”撮影について聞いた。

――最終章では、カンナの黒髪が印象的ですね。
【平】
 最終章のカンナは、氷の女王というテーマなので、第2章とは印象をガラリと変えないといけなくて、外見から入ろうと思いました。もともとの役の設定では、そこまでは決められていなかったんですけど、変化をつけるにはどうしようかと考えて、髪の色を暗くしてみようと。堤(幸彦)監督からは、アンジェリーナ・ジョリーみたいでいいねっていわれました(笑)。

――カンナ役に決まってからのこの1年は、平さんにとってどういう時間だった?
【平】
 あっという間でしたね。毎日毎日、ホントにいろいろなことを考えて感じて、ムダなく過ごしたという感じです。このオーディションに合格する前は、けっこうネガティブに落ち込んだりとか、すごく自信がない自分がいたんですけど、今はそういうことを考える時間もなく、精一杯がんばって毎日をクリアすることが、楽しさに変わって過ごせています。

――第2章が公開される前と後では、気持ちのあり方が変わっている?
【平】
 第2章が公開されるまでは、私がカンナとして受け入れてもらえるのかすごく不安だったんです。だけど、映画を観ていただいた方のいろいろな声を聞いたり、ブログのコメント数がすごく増えたり、そういう反応を目で確認することができて・・・。無我夢中で取り込んだので、それが少しでも伝わって、わかってもらえる方がいてホントによかったなって思いました。ますますがんばらないとという気持ちにさせてもらいました。

――第2章での反省点は?
【平】
 もうちょっとカツゼツが・・・。そういう細かいところです(笑)。第2章のときは、大先輩の方々と共演させていただくことで緊張しながらの撮影だったので、もっと度胸をつけていかないとな、と思いました。



氷の女王・カンナと、彼女の元に集った若者たち“氷の女王一派”は武装蜂起を企てる

1万人のエキストラが参加した野外コンサートシーンの撮影。ステージ上で堂々の演技をみせる

――第2章のクランクアップから第3章のインまでの1ヶ月間での準備は?
【平】
 準備しました!第2章のアップの日に堤監督から「次は氷の女王になるから絶対に泣かないで」っていわれて・・・。まず、氷の女王がなにかを理解するために、とにかくできることすべてに取り組もうと思って、お皿のうえに氷を置いてずっと観察していたんです。そうしたら、時間をかけることで解けていく・・・。そのままなんですけど(笑)。だけど、自分に置き換えたときに、カンナはケンジおじちゃんとの間に時間を置いたことによって、最後に大きな感情の山場ができるって感じ取ったんです。氷に助けられました(笑)。

――普段から泣きやすいそうですね。
【平】
 すぐに入り込んでしまって、第2章のときはケンヂおじちゃんって言葉を聞くだけで泣いてしまったり・・・。カメラのセッティングをしていない最初のテストから泣いてしまうんですよね。

――泣かないようにするために気をつけたことは?
【平】
 それだけはどうしようもなくて・・・。でもやっぱり、堤監督から泣くなっていわれれば「泣くな泣くな泣くな、私は氷の女王だ」って自分に言い聞かせながらがんばりました。

――ラストのカンナの涙は感動的です。
【平】
 もうリアルに泣いていました・・・。楽屋で、唐沢(寿明)さんがケンヂおじちゃんになった瞬間、感情がこみ上げてきて、わーって泣いちゃって。そうしたら唐沢さんから「子役じゃないんだからビービー泣くな」って怒られて(笑)。もうホントにどうしようもなかったですね。撮影中は、日常からカンナになりきらなきゃ、この3部作を乗り超えられないと思っていたんで、余計にそこに感情が入ったんですよね。


――ラストのコンサートシーンでは、1万人のエキストラの前での堂々の演技でした。
【平】
 あのときはすごく緊張して震えていたんですけど、そんなことも考えられないほど、とにかくこの人たちに伝えなきゃっていう気持ちが大きくて・・・。素でカンナになれていた気がします。『20世紀少年』が大好きな、こんなに多くの方が参加してくれたっていう、カンナと私自身の喜びの気持ちが合体して、余計入り込めて。それが、ラストシーンにつながったと思います。

――『20世紀少年』は、平さんにとってどういう作品?
【平】
 偉大な作品ですね。もうホントに、後悔のないようにとかけていた作品で、すごく前向きになれました。がんばれといっていただけることで、まだがんばっていいんだ、もっとがんばらなきゃっていう気持ちにさせてもらいました。私にとって、新たな希望をもたらせてくれた作品です。

――最終章の魅力をひと言でいうと?唐沢さんは壮大なコスプレパーティと・・・。
【平】
 (笑)すごいですね。私にとっては、社会現象でもあるし、誰もが自分に置き換えて考えられる作品だと思うんですよね。だから、映画を観終わったあとに、みなさんが現実の自分の立場を考えて理解してほしいです。唐沢さんがこれを聞いたら「なに真面目なこといってんだ」ってまた怒ると思うんですけど(笑)。

――最後に、この先挑戦してみたい役柄を教えてください。
【平】
 アクションがすごく好きなので、動きのある役とか。男役をいただけるなら、坊主頭にしてでもやりたいくらいです。あと、人間性が変わってしまうような2面性を出せる役も。いろいろなことにチャレンジしたいです!

(写真:原田宗孝)

平愛梨
1984年12月12日生まれ。兵庫県出身。
主な出演作は、『笑う大天使(ミカエル)』(小田一生監督/2005年)『棒たおし!』(前田哲監督/2003年)『ダブルス』(井坂聡監督/2003年)『ドリームメーカー』(菅原浩志監督/2002年)など。

20世紀少年<最終章>ぼくらの旗

【ストーリー】
“ともだち歴3年”(2017年)。世界は「世界大統領」として君臨する“ともだち”に支配されていた。殺人ウィルスが蔓延した東京は聳え立つ壁により分断され、都民の行動は完全に制限されていた。“ともだち”の追手から逃れ、身を潜めているかつての仲間たち。荒れ果てた新宿で、オッチョは反政府組織として武装蜂起する氷の女王・カンナの存在を知る。そんななか “血の大みそか”以降、行方が分からなくなっていた“あの男”もついに・・・!それぞれの想いとは別に着々と近づく新たな絶望。“しんよげんの書”には何が描かれているのか?“ともだち”の計画とは?

監督:堤幸彦
出演:唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子 香川照之 平愛梨 石塚英彦 宮迫博之 山寺宏一 木南晴夏ほか

2009年8月29日(土)より全国東宝系ロードショー
(C)1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館(C)2009 映画「20世紀少年」製作委員会

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