Perfumeが20年間愛されるワケ 唯一無二の世界観で独自フォーマットを形成

初期から近年の楽曲まで、20年に渡り長く愛されるPerfumeサウンド

 そんなファンたちによる「好きな曲」1位は「ポリリズム」(表2)。同楽曲は、NHKと公共広告機構(現:ACジャパン)の2007年度共同キャンペーン『リサイクルマークがECOマーク。』のCMソング。「Perfumeを初めて知ったきっかけの曲でインパクトがあった」(40代女性/兵庫県)と同曲をきっかけに存在を知り、「これまでにない新鮮さとやみつきになる音楽」(30代女性/滋賀県)、「メロディーが今までの歌手にない感じで衝撃的だった」(40代女性/茨城県)と脳内ループするサビのメロディーと歌詞、近未来的な“踊れる”サウンドが、斬新な印象を与えた。また同曲は、初の週間シングルランキングTOP10入りし、ブレイクのきっかけとなった曲でもある(2007年9/24付、7位)。

 続いて2位は「チョコレイト・ディスコ」、3位は『キリンチューハイ 氷結』CMソングの「レーザービーム」と、活動初期から中期の楽曲が上位に並んだ。ただし、それだけでなく、日本テレビ系ドラマ『東京タラレバ娘』主題歌「TOKYO GIRL」や、映画『ちはやふる -上の句- / -下の句-』主題歌「FLASH」といった近年の発表楽曲も上位にランクインしており、中田ヤスタカとのタッグによる、いわば“Perfumeサウンド”ともいえる楽曲群は、世代を超えて定着し、常に若年層の新規ファンを取り込んでいることもわかる。

「実力がある」「国際的」など、近年の活動を物語るワードもイメージ上位に

 最後に、20年のキャリアをファンからの目線で振り返るべく、“ファンになった時期”から順にイメージの変化を調査した(表4)。

 これによると、2000〜2004年頃のインディーズ時代、2005〜2008年頃のメジャーデビューから「ポリリズム」のヒットや、『NHK紅白歌合戦』初出場時期では、「斬新」「ユニーク」が上位に入ったが、続くNHK『MUSIC JAPAN』のMC担当していた2009〜2012年頃には、それらを抑えて、「かわいい」が1位に。さらに、「かざらない」というワードも新たに加わるなど、彼女たちの人柄がお茶の間に浸透したことを見てとることができる。

 そして2013年〜現在は、「実力がある」「国際的」と近年の活動を物語るワードも上位に入った。中田ヤスタカが手がけるテクノポップ・サウンド、歌詞を可視化したMIKIKO氏による振付、均衡のとれたフォーメーションダンスに加え、ライゾマティクスらによる最新テクノロジーと融合したライブステージといったように、日本屈指のクリエイターが脇を固め、その世界観をメンバーがしっかりと体現する――。近年のイメージの変化は、こうした高いクオリティーと唯一無二の世界観が、日本を超えて世界へと広く浸透した結果とも言えるだろう。

 結成20周年、メジャーデビュー15周年という大きな節目を迎えたPerfume。そのイメージは「かわいい」と「かっこいい」、「かざらない」と「先進的な」、「ほがらか」と「刺激的な」といったように、一見相違する要素が同居していた。ここには、彼女たちのデビュー以来の変わらぬ魅力と、たゆまぬ努力、そしてデビュー後の挑戦の歴史が現れている。この先、ここからさらにどのようなイメージが加わっていくのか、世界へと羽ばたく彼女たちを海外の人たちはどのように受け入れていくのか――。彼女たちが今後、加えていく“彩り”を楽しみながら見守りたい。

<調査概要>
調査対象:全国10〜50代男女、Perfumeを「とても好き」「好き」の回答者
サンプル数: 4266名
調査期間:2019年8月28日(水)〜9月2日(月)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

提供元: コンフィデンス

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