世代を超えたヒット曲をめざし7年 広瀬倫子が新曲「愛を舐めるな」で挑戦する“愛の裏側”

広瀬倫子

 歌の魅力を大人に再提案するためにさまざまな作品を世の中に送り出しているのが、エイジフリーミュージックレーベルだ。そのなかでも力のある人気作詞家・作曲家を次々と巻き込みながら、独自の世界観を広げつつある歌手・広瀬倫子。改名デビューから7年、今回のシングル「愛を舐めるな」では、作詞・及川眠子、作曲・来生たかおのゴールデン・コンビが曲を提供した。6月27日に渋谷で記念コンサートを行う彼女に今の想いを聞いた。

強烈な及川眠子先生の詞、自分の中で封印していた今だから歌える愛の世界

 エイジフリーミュージックとは、音楽評論家・富澤一誠氏が提唱する世代を超えた音楽のこと。その理念を形にしたのが広瀬倫子の歌だ。彼女はさまざまな作家との楽曲コラボを実現してきた。岡田冨美子、鈴木キサブローコンビによる「償いの日々」、レーモンド松屋「生まれ変わって」、高見沢俊彦の平成GS歌謡「恋の誤算」、尾崎亜美「月を見つめて哭いた」などなど。そして令和初のシングルとなるのが「愛を舐めるな」となる。愛する男に裏切られ続けた女性の心が歌になった。「鬼は内 甘い夢は外 女心と愛を舐めるな」とメラメラと燃える情念の世界を及川眠子氏が描く。心をえぐるような詩が強烈だ。

広瀬この詞を初めて読んだ時に、自分でフタをしていた感情の扉をこじ開けられたような、昔の手紙をタイムカプセルから取り出して読んだような気持にとらわれてしまいました。自分でも若い時に、同様の世界観を詞にしたことがありまして、でもそこにとらわれてしまうと歌どころではなくなる自分がいるので、その世界は封印していたんですね。今だから歌える歌なのかなと思います。及川眠子さんの詞は本当に強烈ですよね。でも、来生さんのメロディーは、それに惑わされることなく冷淡で美しく、詞の生々しさを突き放している。そんなところがこの作品の魅力だと思います。レコーディングでは、私自身はそのサウンドに寄り添おうと思って、少しヨーロッパ風のクールな歌い方にしようと思ってました。それがうまく言ったので、これでいいかなとスタッフと話しているところに及川先生が登場しまして。「いいけれど、もっとドスを効かせた方がいいんじゃない?」っておっしゃったんです。「広瀬倫子という名前はまだまだ知られていないでしょ」と言われてサウンドと歌詞の間で自分なりの回答を歌い方にしたのが今回の作品になるんです。
 今作ではPVも話題だ。海外でも人気の足長パフォーマー、スティルタンゴの2人が登場し、映像に不思議な異国感を与えてくれる。

広瀬プロデューサーが、彼らの存在って不思議でいいよねって。私も足長巨人と私の対比が面白いかなと思って、撮影への参加をお願いしました。仕上がりを見ると、アレンジのイメージにピッタリ合っていると思います。本当は、ジャグラーとかアコーディオンとかヨーロッパの夜の大道芸の世界をもっと出せれば良かったと思いますが。予算の関係もあって断念しました。あと今回は写真がすごくいいんです。目の下に赤いタトゥーを入れたんです。主人公の内面の毒がにじみ出た感じですかね。あまり理屈で言わなくても、こいつ何か企んでるなという女性の心の二面性がわかるんじゃないかな。

提供元: コンフィデンス

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