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人気フォトグラファー・桑島智輝氏 仕事の流儀「エンターテインメントすることが僕に求められていること」

 4/8付週間BOOKランキング ジャンル別「写真集」で初登場2位にランクインした、えなこ 1st メジャー写真集『えなこ cosplayer』。現在までに推定累積売上部数1.2万部を売り上げている本作は、カメラマン・桑島智輝氏の手によって撮影されたもの。彼はこれまで、宮脇咲良(宮脇咲良ファースト写真集『さくら』/集英社/推定累積売上部数5.8万部)、松井玲奈(松井玲奈 写真集『ヘメレット』/ワニブックス/同3.8万部)、最上もが(最上もが1st写真集『MOGA』/集英社/同3.2万部)ら、今を時めく旬な人物を手がけ、いずれもヒットに導いている。

いいものを作るために妥協なく、編集者からの絶大な信頼

 『えなこ cosplayer』の担当編集で、集英社・週刊『ヤングジャンプ』編集部に所属する池永亘氏は、桑島氏について、「週刊『ヤングジャンプ』のグラビア撮影をする際、まず編集がいろいろなテーマを考えます。その後、カメラマンさんと打ち合わせをするのですが、桑島さんは僕のテーマに欠けている部分をきちんと補ってくれる意見はもちろん、たくさんの新たなアイデアを出してくださる。いいものを作ることに妥協なく突き進める方。一枚の写真のなかに圧倒的な情報量を感じますし、えなこさんのグラビアのようなギミックを必要とする撮影の際は特に、真っ先に桑島さんの名前が浮かびます」とその魅力を語る。

 「僕はもともとグラビア畑だったわけではなく、『ヤンジャン』のオファーでAKB48の撮影がグラビアデビューです。当時のAKB48の撮影って、同じスタジオで1日に何媒体もやるような感じ。そのなかで、ほかの媒体とどう差別化できるか、『ヤンジャン』として“らしさ”をどう表現するか。景色がいいわけでもない白ホリ(=白ホリゾント=白壁があるスタジオ)で0から何かを作らなければいけない。僕も編集者もすごく真剣に考えて、いろんな意見を出し合って撮影に臨んでいました。グラビア撮影の最初がこんな感じで、そのあとも同じ感じでやっていたので、だいぶ鍛えられましたね。
 えなこちゃんの写真集は、『日本一のコスプレイヤーの写真集を作る』といったときに、絶対に他にマネできないものをやろうということになって。『版権物のコスプレを本気でやろう』ということになって。衣装もウィッグも、プロフェッショナルに作りこんでもらって、『この衣装ならこういう美術でこういう照明でこうやって撮ろう』と衣装、美術さんと一体になって“チームえなこ”が結集してできました」(桑島氏)

商業カメラマン/写真家の2面性

 仕事のスタンスは、オファーをもらえば基本的に何でも受ける。その姿勢を貫くのは、「商業カメラマンは、芸者みたいなもの。お座敷に呼ばれないと意味がない。いろんな形でアプローチして「エンターテインメントすることが僕に求められていること」という考えがあるから。個性を出すのではなく、被写体をどう魅力的に撮るかに特化することを、商業カメラマンとしてのポリシーとしている。その一方、個性や芸術性に特化した“写真家”としての一面も。

 「写真家としてのコアな部分は、『妻を撮り続けること』。自分の中で、その2つは干渉しないんです。欲張りなので、両方やりたい。(商業写真の第一人者である)篠山(紀信)さんと(私生活をカメラに収めた)アラーキー(荒木経惟)の両方にあこがれる部分があるんですよね」(桑島氏)

 “写真”をどうとらえるか。桑島氏の中に存在する相反する2つの考えは、彼の唯一無二の感性の原点なのかもしれない。

今目の前にいる被写体と向き合うこと

 そんな桑島氏は、グラビアの撮影で被写体と向き合うとき、心がけていることがあるという。

 「撮影するときに、その人のことを事前に調べたりしないんですよ。アイドルであろうと、女優であろうと、声優であろうと、目の前にいるひとりの女性として見る。そのほうが純粋に、かわいいな、きれいだなって思えるんです。事前情報を入れて変なフィルターをかけるのではなく、素直にその人と向き合う。もちろん相手にもよります。向き合ってくれる人もいれば、そうでない人もいる。人間って感情も含め、日々変わるじゃないですか? カメラを通して向き合って、相手を見ながら、アンテナで敏感にキャッチして、いろいろ変えてやっていますね。例えば、『そこに寝っ転がって、おしりを突き出してみて』って言われると、女の子は『えっ』ってなりますよね。でも『ちょっとそこ横になって。いいね、じゃあ少しずつ、腕を前にだしてみようか』っていうとだんだん、近いポーズになる。相手のことを思うことが大事なことだと思います」(桑島氏)
 この心がけは、被写体にもしっかりと伝わっており、「えなこさんの桑島さんへの信頼も絶大で、『私の同人誌のほうの写真も桑島さんにお願いできないですかね?』って相談を受けました(笑)」(池永氏)というほど。作品の圧倒的なクオリティーと共に、現場で構築した信頼関係が、カメラマンとしての人気につながっているようだ。

「〇〇の写真と言えば桑島」と言われるようになりたい

 そんな多忙な日々を送る桑島氏だが、昨今の写真集シーンの好況を喜んでいる。

 「写真集が売れてる現状は素直にうれしいです。昔は、写真集といえば『ハードカバーで大判、一冊3000〜4000円します』みたいなのがスタンダード。完全にfor menだったように思うんですけど、今の写真集は女の子も観たりする。それによって、ソフトカバーで2000円みたいな、手に取りやすいサイズ、価格、表紙になってくる。そういう変化から、男性だけでなく、女性にも広がっていることを感じがして、うれしいです」(桑島氏)

 取材の最後、今後の目標を聞いた。

 「グラビアって、印象に残ったら勝ちだと思うんです。篠山(紀信)さんの撮ったグラビアってすごく印象に残っている。だから『〇〇の写真と言えば桑島」と言われるように、強い表情を残していけたらと思います。今、世間では、『桑島智輝といえば安達祐実』になっているので(笑)、そうじゃないということを見せていかないといけないから、日々戦っていきます(笑)」(桑島氏)

提供元: コンフィデンス

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