宇多田ヒカル、各種ランキング動向から見えるファン層の変化
今作での宇多田のデジタルアルバム3.8万DLは、今年唯一2万DLを突破した作品となり、大ヒットと言っていい。デジタルでは聴きたい曲のみをDLする単曲購入が中心となり、アルバムとしてのDLは今週の2、3位で3000ほど。今年4〜6月の1位獲得作でも週間1万DLを超えた作品はない。DLで音楽を楽しむ若いユーザー層へのよほどの訴求力がなければなかなか3万DLは超えない。
コンフィデンスでは今作における宇多田のアーティストイメージの変化を分析しているが(7月5日配信「宇多田ヒカル、浮かび上がる新たな魅力 10代を魅了する“美しさ”」)、20年というキャリアを積み、30代に突入した宇多田ヒカルが“第3期”と呼ぶべきアーティスト性をいま新たに開花させ、新旧の世代を超えたファンを獲得していることがうかがえる。
なかでも5/30より先行配信されていた「初恋」は、初週の7.1万DL(1位)から、2.8万DL(1位)、2.2万DL(3位)、1.4万枚(4位)と高順位をキープしつつ、今週2位(累計15.7万DL)と大きく上昇。アルバム発売時の話題性が、ライト層に気づきを与えて、代表曲のシングル(単曲)購入へと動かしたことがうかがえる。このパターンは宇多田に限ったことではないが、『First Love』(99年3月10日発売)で765万枚のセールスを記録した彼女のかつての多くのファンも動かしたことが予想され、よりランキング動向に顕著に現れている。
◆週間デジタルシングル(単曲)ランキング
◆週間デジタルアルバムランキング