AIも絶賛、サブスクシーンで注目の高校生アーティスト・RIRIとは
洋楽好きのサブスクユーザーを中心広がりつつあるRIRIの歌
「5000人のお客さんを前に歌うのが初めてだったので、ステージに上がるまでは緊張したんですけど、トラックが流れた瞬間に自分の中にあった音楽の魂のスイッチがオンになった感覚があって。今までに味わったことのない楽しさを感じたし、もっとこのステージで歌っていたかったなっていう思いでいっぱいになったんです。そこで、心の奥底から決心したんです。世界で活躍していけるアーティストになりたい。私にはこの道しかないなって」
翌年には大手スポーツブランドの夢応援企画でグランプリを獲得。中学2年生になる直前の春休みにニューヨークでボイストレーニングを受ける機会を得るとともに、2つめの大きな出会いが訪れる。憧れのアーティストであったAIとの対面が実現し、彼女の前でビヨンセ「HALO」を歌ったことがきっかけで交流がスタート。2016年6月には『AI THE BEST TOUR』東京公演のアンコールで、2度目となる東京国際フォーラムAのステージに立ち、「GOLD」「Yes Be Free」の2曲をパフォーマンス。同月に配信された「GOLD」はiTunes R&B/ソウルランキングでいきなりの1位を獲得。さらにAIの日本武道館公演でオープニグアクトを務めた同年11月には、AIとの共作による壮大なバラードを収録した1st EP「I love to sing」をリリース。2017年6月にリリースした2nd EP「RUSH」はiTunes R&B/ソウルチャートで発売するやいなや、1位を記録。リード曲である「RUSH」は、Future Bassを基調にしたダンスポップナンバーで、9割は英語詞メインとなっている。Spotifyを流しっぱなしで聴いているときに、US R&BシンガーのSZAやH.E.R.、もしくはZeddをはじめとしたヒットナンバーと混ざって流れても全く違和感のないサウンドプロダクションが施されているし、次世代ディーバの貫禄すら感じられる歌声は堂々たるもの。『SUMMER SONIC 2017』をはじめとした全国各地の夏フェスでは次第にタイトルをコールするだけで歓声が沸くほどのアンセムとなり、洋楽好きのサブスクユーザーを中心に注目を集めたことも納得の楽曲となっている。
世界に向けて“クールキューティー”を発信していきたい
「音楽活動を始めた第一歩から、今年の春に高校を卒業する現在までのRIRIが詰まった1枚になったと思います。カッコいい曲もあれば、キラキラしていてポップな曲もあるし、初めて挑戦したダンスチューンや日本語詞でメッセージを込めた曲もある。私は音楽もファッションもクールさとキュートさが混じったものが好きなので、世界に向けて“クールキューティー”を発信していきたいですね」
世界に照準を絞って歩み出した彼女が未来に望むものはなんだろうか? 自身が作詞作曲したエールソング「Promised Road」では、転んでも泣いても、自分が信じた道をまっすぐに突き進んでいこうと歌っている。
「私だけではなく、人にはそれぞれ最高の自分になれる、約束された道があると思っていて。自分を信じて、情熱的に努力して行けば、絶対に夢はかなうと信じているんです。私には、世界で活躍して、『グラミー賞』を獲れるようなアーティストになりたいという目標があって。とてつもなく大きな目標で、なかなか難しいと思うけど、そうなれた自分を想像するとすごくワクワクするし、やっぱりこの道を進みたいって思うんです。その目標を達成した上で、夢を諦めない大切さを伝えていけるアーティストになりたい。夢に向かって頑張っていく中でしか味わえない達成感や喜びがたくさんあるということを語れるアーティストになることが、私の一番の夢ですね」
デヴィッド・フォスターが目覚めさせ、AIが大きな愛で優しく背中を押したように、RIRIが誰かの夢を応援する日はそう遠くない日にくるかもしれない。
(文:永堀アツオ)