【upcoming】12/18付週間CDランキング、『コンフィデンス』編集部ピックアップ6作

 最新12/18付オリコン週間ランキングから、TOP20位圏内には入らなかったものの、CDセールスやデジタル配信で注目すべきチャートアクションを見せた作品を、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』編集部のメンバー6名が各目線でピックアップ。これから注目すべきアーティスト、話題作の動向を紹介する。

Unblock「西中島南方」/シングル61位

日本語ロックが響く3ピースバンド
  • Unblock「西中島南方」

    Unblock「西中島南方」

 Unblockのシングル「西中島南方」が、週間ランキング61位に初登場した。日本語詞を熱く激しいギターロックでカッコよく聴かせる3ピースバンド。ボーカル・田口卓磨のまっすぐな声もグッとくる。サビのメロディーもキャッチーで、まさにライブバンドの代表というイメージ。奇をてらわずに真正面から音楽と向き合っている様子が好印象だ。ちなみに彼らが所属する大阪の「THE NINTH APOLLO」は、今勢いがあるインディーズレーベルとして全国のショップやフェスなどでも注目を集めている。ファンの“レーベル推し”の動向もぜひチェックしたい。

坂口有望「空っぽの空が僕はきらいだ」/シングル94位

16歳のSSW・坂口有望、2ndシングルで初TOP100入り
 16歳の女子高生シンガー・ソングライター、坂口有望の2ndシングル「空っぽの空が僕はきらいだ」が、週間ランキング94位にランクイン。初TOP100入りした。坂口は7月26日にシングル「好 - じょし-」でメジャーデビュー。これまで発表された楽曲は、どれも思春期の想いを、この世代の“女子”ならではの特徴ある目線で綴った歌詞が魅力。いわゆる“ギター女子”に括ってしまいそうになるが、本年8月開催の東京・渋谷WWWでのワンマンライブではバンドを従えて堂々たるパフォーマンスを披露。関西弁の愛らしいキャラクターも含め、来年には一気に飛躍の予感。

Nulbarich『Long Long Time Ago』/アルバム28位

ソウルファンの裾野を広げるか、純度の高いNulbarichの2nd EP
 ソウル、アシッドジャズなどのブラックミュージックをベースにするスタイリッシュな大人のサウンドで存在感を放つNulbarichの2nd EPが、週間アルバムランキング28位にランクインした。そのソウルフルなサウンドは早くから音楽ファンの注目を集め、昨年から今年発売のアルバム前2作は1.5 〜 2.5万枚ほどを売り上げていたが、同ジャンルと相性のよい車(Honda『GRACE』)のCM ソングに今年7月に起用され、バンド認知を一般層にまで広げた。ソウルミュージックの純度が高い今作は、ポップ、ロックファンにもその魅力を伝え、リスナーの裾野を広げるのでは。

Ivy to Fraudulent Game『回転する』/アルバム34位

ビクター「Getting Better」からデビューした気鋭のロックバンド
 サカナクションや今年注目を集めたSOIL&“ PIMP”SESSIONS などを有する、ビクター「Getting Better」所属の4人組バンド・Ivy to Fraudulent Game(アイヴィー・トゥ・フロウジュレント・ゲーム)のメジャーデビューアルバム『回転する』が、週間ランキング34位に初登場した。10年10月に群馬で結成。抑揚のある寺口宣明(Vo&G)の歌声、福島由也(Ds)が作詞・作曲を手がける表現のバラエティに富んだ楽曲が、若者を中心に人気を集めている。本作には、「青写真」などライブでも欠かせない再録4曲を含む、全9曲を収録。彼らの過去・現在・未来が詰まった名刺代わりとなる1作だ。

SHE’S『Wandering』/アルバム36位

美メロと透明感歌声で注目の次世代ピアノロックバンド
 SHE’S の2ndアルバム『Wandering』が、週間ランキング36位にランクインした。エモーショナルなロックサウンドから珠玉のバラードまで、幅広い楽曲群でインディーズ時代より注目を集めていた。本作には、彼らの特徴でもあるピアノロックが堪能できる「All My Life」や「Beautiful Day」、井上竜馬(Key&Vo)の透明感ある歌声と叙情的なメロディーが印象的な「White」のほか、『閃光ライオット2012』で披露された「The World Lost You」のリアレンジバージョンを収録。新旧の彼らを楽しめるバラエティに富んだ1枚。

warbear『warbear』/アルバム39位

尾崎がGalileo Galilei終了後、1人で作り上げた美しい音楽
 元Galileo Galileiの尾崎雄貴によるソロプロジェクトが1stアルバムをリリース、週間ランキング39位にランクインした。“戦う熊”という勇ましい名前だが、作品は実に繊細で美しい。世界のロック史に燦然と輝く名作たちが尾崎のなかで溶け合ってできた音楽を、さまざまな楽器やクラップ、コーラスを使い、まるで精緻なプラモデルを作り上げるように、丹念に録音されたことが手に取るようにわかる。サウンド自体にも非常にこだわっているので、音の響きも実に美しい。こんなアーティストが登場してきたことに素直に喜びたい。
(『コンフィデンス』 17年12月18日号掲載)

提供元: コンフィデンス

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