『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』キービジュアル(C)関西テレビ
5月に入り、17年4月期の民放及びNHK放送のドラマが概ねスタートを切った。ネットニュースやSNSでは、ドラマに関する話題で日々賑わっているが、視聴者が感じている作品の真の「満足度」はいかがなものだろうか? そこで、オリコンの週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』では、毎週各話の放送後に実施している自社のドラマ満足度調査「オリコンドラマバリュー」の結果から、現時点(5月2日放送終了分まで)の累積平均を作品ごとに算出しランキング化。結果、小栗旬主演の【CRISIS公安機動捜査隊特捜班】(関西テレビ・フジテレビ系)が、100Pt満点中87.8Ptを獲得し、現時点で4月期ドラマ満足度1位となった。 4月期 ドラマバリュー累積平均ポイント上位作品(調査期間:〜5月2日)
「オリコンドラマバリュー」は、同社グループの調査システム「オリコン・モニターリサーチ」の登録者から毎週、全国690名の視聴者を対象に、各ドラマの「期待度」「満足度」について、「作品」「主演」「主演以外」「セリフ」「映像」「音楽」「美術」「ストーリー展開」を10点満点で調査し、その結果を過去1年間のデータに照らして偏差値化したもの。「視聴量」「主演」「主演以外」「内容」という4項目に加え、Twitterのツイート量を加えた「話題性」の5項目を各1〜20Ptとし、計100Pt満点で集計している。 スタッフ・キャストががっぷり四つに組んだ、圧巻の観応え
『CRISIS〜』は、ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』シリーズ、『BORDER』などの脚本を手がけてきた、直木賞作家・金城一紀氏による最新作で、警察の秘密部隊の活躍を描いた物語。Ptの内訳を見ると「視聴量」(19.5Pt)に加え、「主演」、「主演以外」の項目でともに20Pt満点中18.3Ptという高い数値をマーク。小栗×西島秀俊による緊迫感あふれるアクションに加え、長塚京三や田中哲司など、脇を固めるキャストの好演が見応えを与えている様子が伺い知れ、視聴者からは「俳優陣のコンビネーションが良く映像に迫力があって面白い」(20 代女性/兵庫)との声が寄せられている。 なお同作は、フランス・カンヌで4月3日〜6日の期間開催された、世界最大級の映像コンテンツ見本市「MIPTV」にも出品。今年から新設された「アジアワールドプレミア」で、記念すべき第1作目に選ばれ、日本での放送開始に先駆けて第1話のワールドプレミアが実施された。当日は、上映開始前から列が作られ、280席の会場はほぼ満席。視聴したスペインの番組バイヤーからは、「脚本がとてもわかりやすい。日本のドラマはこれが初めてでしたが、感情移入できた」との好評価が聞かれ、現地のレッドカーペットに登場した西島も、「誇りを持って世界の方々にも観ていただきたい作品です」と覇気よく語っていた。 キャストとストーリーで惹きつけるシリーズ作品
続く2位は、“夜食テロ”ドラマの先駆けとしてお馴染みとなった、松重豊主演の人気シリーズ最新作、【ドラマ24『孤独のグルメ Season6』】(テレビ東京系)で、累積平均87.3Ptを獲得。内訳を見ると、「主演」と「内容」への評価が特に高く、ともに19.8Ptの高得点。黙々と飯を食らう、主人公・井之頭五郎の食生活を軸としたストーリー、そして松重の表情で見せる演技は、シリーズ6 作目ながら視聴者の心をしっかりとつかんでおり、視聴者からは「いつもの展開だけど、やっぱり面白いし観ていて癒される」(40 代男性/埼玉)とのコメントを集めている。 84.5Ptで3位につけたのは、初回視聴率17.9%(関東地区)を記録するなど、4月期の民放ドラマの中でも特に好調に推移している、【木曜ドラマ『緊急取調室』】(テレビ朝日系)。同作は14 年1月期、15 年9 月のスペシャル版に続く連ドラシリーズ第2 弾で、取調室を舞台に、専門チームと凶悪犯との緊迫した心理戦を描いた物語。内訳を見ると、女優としても女性としても支持されている主演・天海祐希への評価が最も高く19.5Ptを獲得したほか、「演技の上手い人が多くて観応えがある」(30 代女性/北海道)とのコメントからもわかるように、「主演以外」(18.5Pt)、「内容」(18.0Pt)も高水準となっている。 木曜ドラマ『緊急取調室』キービジュアル(C)テレビ朝日
2、3位の2作はともにシリーズ作。あらかじめ知名度と人気があるという点では、一歩リードした状態と言えるシリーズ作だが、同時に続編ならではのプレッシャーもついて回るもの。上記2作は、演技派のキャスト、確かなストーリー展開でそれを跳ね除け、シリーズ人気をけん引しているようだ。 満足度の上昇率No.1ドラマは『恋がヘタでも生きてます』
ここまでは、累積平均の上位作品を見てきたが、今度は視聴者による「満足度上昇率」で比較してみることにしよう。「オリコンドラマバリュー」における、今期各ドラマの第1話と最新話の満足度上昇率を出してみると、先ほどとは違ったドラマに対するまったく別の側面が浮かび上がってくる。
結果を見ると、今期序盤戦で最も視聴者の満足度を伸ばしているのが、【プラチナイト木曜ドラマ『恋がヘタでも生きてます』】(読売テレビ・日本テレビ系)だ。第1話放送時25Ptだった満足度が現在は53Ptとなっている。主な要因は、主演の高梨臨ら俳優陣の評価が上昇していることで、今後さらに伸びる余地を残している。 「オリコンドラマバリュー」上昇率上位作品(調査期間:〜5月2日)
同じく俳優陣の活躍で満足度を伸ばしている作品が、多部未華子主演で上昇率155.6%の【ドラマ10『ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜』】(NHK総合)。第1回放送時は「主演」11Pt、「主演以外」8Pt(いずれも20Pt満点)だったが、第3話調査で「主演」19Pt、「主演以外」18Ptと満点に迫る勢い。合計でも70Ptに達し、今期ドラマのベスト5入りも現実味を帯びてきている。NHK総合では窪田正孝主演の【土曜ドラマ『4号警備』】も、俳優陣の活躍による満足度上昇率が高く、さらなるアップが期待される。
連続ドラマの醍醐味は、観続けるうちにどんどん引き込まれ、そのうちオンエア日が待ち遠しくなるところにある。そういう意味でこれらの作品は、その楽しみを視聴者に提供している代表と言えるだろう。 「オリコンドラマバリュー」とは
オリコングループの調査システム「オリコン・モニターリサーチ」の登録者から毎週、全国690名の視聴者を対象に、各ドラマの「期待度」「満足度」について、「作品」「主演」「主演以外」「セリフ」「映像」「音楽」「美術」「ストーリー展開」を10点満点で調査。「オリコンドラマバリュー」はその結果を、過去1年間のデータに照らして偏差値化した。「視聴量」「主演」「主演以外」「内容」という4項目に加え、Twitterのツイート量を加えた「話題性」の5項目を各1〜20ポイントとし、計100ポイント満点で集計している。 【調査概要】
■地域:1都1道2府14県 → 関東圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬)/関西圏(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)/その他地域(北海道・愛知・岡山・香川・福岡)
■対象:10代〜 50代の男女計690名
■方法:インターネット調査
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