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鈴木敏夫プロデューサーインタビュー『初の外国人監督による“ジブリ作品”制作舞台裏 』

創作意欲は衰えず!高畑勲、宮崎駿の近況は?

――最近、宮崎さんはCGを駆使して美術館用の短編を作っているそうですが。
鈴木敏夫そうです。ただ、CGを使っているのは全面的にではなくて、だんだんと手描きの部分も増えています。順調にいけば来年の頭には完成すると思います。

――高畑さんも『岸辺のふたり』がお好きだったと聞きました。本作でもアーティスティック・プロデューサーとして参加されていますが、まだまだ高畑さんも創作意欲が旺盛ですね。
鈴木敏夫宮崎駿もですが、高畑さんも意欲は衰えませんね。自分が作ったものを世間に出して、それで大向こうをうならせるのが映画監督というものだとしたら、やはり1回その味をしめた人は死ぬまでそこから離れられないですよね。映画監督なんてそういうものですよ。そういう意味ではむしろマイケルの方が珍しい。その要素が少ないんですから。普通は大きな予算をかけて長編を作るとなったら心配になるじゃないですか。いつのまにか心が弱くなって、ついついサービスをしておこうかなとなってしまう。それはひと言でいうと「媚びを売る」ということなんですが、彼にはそういう要素がない。驚きですよね。世の中には、“媚びを売る映画”ばかりあふれている時代ですから。

――高畑さんは最近は何をやられているんですか? のんびり過ごされているわけではないですよね?
鈴木敏夫全然! 僕は最近、分かってきたんですけれど、人間って年をとればとるほど忙しくなるなんだなと。高畑さんも精力的に日本全国を飛び回っていますよ。それどころか海外にも出かけて、講演会をやったりしています。求められるがままに、それこそ、そこが行きたい場所だったらすぐにでも飛んで行ってしまうんですよ。今度もまた海外に行くと聞いていますしね。ふたりには隠居という気分はまったくないですね。

――そうすると鈴木さんも休めないですね。
鈴木敏夫僕は隠居したいんですけどね。僕ね、マイケルから真剣に聞かれて困ったことがあったんですよ。なんで自分で映画を作らないんだと。隠居したいからっていう本当の答えは言いづらかったです(笑)。

転換期を迎えている日本アニメ。スタジオジブリの今後は模索中

――ジブリのアニメーション映画が夏休みの映画館で観られる日はまたいつか来るのでしょうか?
鈴木敏夫あったとしても、とうぶん先になるでしょうね。やはりいまはジブリの転換期だと思います。今までやってきた作り方も内容も含めて、次にいったい何を作ればいいのかと、みんながそれぞれにテーマを探しあぐねている時代ですから。そして手法としても手描きからCGへと移っていくなかでどういう体制でやるのか。これらを見極めるのにもう少し時間がかかります。

――3DCGのアニメを作るかもしれないし、今まで通りかもしれない。そういう状況のなかで宮崎さんの制作へのモチベーションも高まっていると。
鈴木敏夫そういうことですよね。自分の年齢の問題もあるから、若いスタッフと組んでやるというのもあるかもしれないですしね。いろいろな意味で、今は日本のアニメーションの転換期だと思いますよ。手描きのアニメがなくなったわけではなくて、今でもたくさん作られているけど、その作っている人たちの高齢化が進んでいます。僕らが『となりのトトロ』を作っていたときは、みんな30歳前後でしたから。あんまり言うと業界のマイナス要素になってしまうか(笑)。でも、そんななかで新海誠監督の『君の名は。』があれだけヒットしているのはすごくいいことですね。

――宮崎吾朗さんは今は武者修行中ですか?
鈴木敏夫そんなことはないです。自分の信じた道を行きなさいですよね。何をやるかは、そのひと次第です。なかには映画以外のことやりたいというひともいるかもしれないし。

――スタジオジブリのこの先の方向性とは……。
鈴木敏夫ひと言でいうなら「スタジオジブリの今後は模索中」です。
(文:壬生智裕)

レッドタートル ある島の物語

 嵐のなか、荒れ狂う海に放りだされた男が九死に一生を得て、ある無人島にたどり着く。男はいかだを作りながらも必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によっていかだは破壊され、何度も島に引き戻される。絶望的な状況に置かれた男の前に、ある日、ひとりの女が現れる――。

原作・脚本・監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
脚本:パスカル・フェラン
アーティスティック・プロデューサー:高畑勲
音楽:ローラン・ペレズ・デル・マール
プロデューサー:鈴木敏夫/ヴァンサン・マラヴァル
製作:スタジオジブリ/ワイルドバンチ
9月17日全国ロードショー
【公式サイト】(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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