盆地で海がない奈良ですが、奈良らしい水辺の風情を楽しめるのが、浮見堂がある鷺池です。浮見堂は、奈良公園の南方に位置します。
今回は奈良観光で疲れた足を休めるのに絶好の隠れた休憩スポット、浮見堂とその見どころを紹介します。
鷺池に浮かぶ六角形の浮見堂
春日山を源流とする率川(いさがわ)が流れ込み、なみなみとした水をたたえる鷺池。雄大な奈良の自然を背景に、広々と広がる水辺に浮かぶ六角形のお堂が浮見堂です。
浮見堂は、その名の通りその姿を水面に反射させ、まるで水面に浮かび上がっているかのような錯覚を思い起こさせます。
浮見堂は1916年に建設され、現在の建物は1994年に再建されたものになります。
屋根は檜皮葺きです。内部には、角になる部分が椅子になっていて、座って休憩できるようになっています。どの位置に座っても、外の景色が見えます。
浮見堂の周辺では、人力車や鹿が通る光景を目にすることができます。浮見堂では、美しい自然と奈良らしい光景を目にしながら奈良公園を散策して疲れた足を癒すひと時を過ごせます。
ボートで散策してみよう
鷺池は貸しボートで散策することもできます。料金は30分1,000円です。前払いで、時間は何時間でもOK。
鷺池には鷺池と呼ばれるように鷺が訪れたり、水中では複数の鯉が悠々と泳いでいます。
波のない水面を眺めるだけでも、癒されますが、そこに憩う生物も見どころの一つです。
浮見堂は夜、ライトアップされますがボートに乗れるのは日中だけなので注意が必要です。
水音は琴の音色!珍しい洞水門
ボート乗り場の入り口すぐ近くにあるのが、洞水門です。
洞水門は、日本庭園の装飾の一つの「音がでる仕掛け」です。
その原理は、つくばいの近くの地中に「伏瓶(ふせがめ)」を埋めるなどして空洞を作ることで、そこに滴り落ちる水が空間で反響して琴の音のように聞こえます。
その音色から、水琴窟(すいきんくつ)とも呼ばれます。
つくばいの水を柄杓ですくって、その前あたりにかけてみると、滴り落ちた水が反響する音が聞こえてきました。
洞水門は、江戸時代中期に考案され明治時代には盛んに用いられたようですが、その後衰退していったようです。普段あまり目にすることができない洞水門ですが、ぜひその音色を鑑賞してみてください。
夕暮れから夜のライトアップ、紅葉もおすすめ
浮見堂は訪れる季節や時間帯によって見所が変わります。日が沈む頃になると、浮見堂の中にも灯りがともり、夜間はライトアップされ、幻想的な風景が楽しめます。
そして、暗くなる前の夕暮れ時のひとときもおすすめです。ちょうど西の方の空が、夕日に染まるのを浮見堂の中から眺めることができます。
浮見堂の周辺には、モミジやイチョウの木が植えられています。紅葉のシーズンには、赤いモミジとともにたたずむ浮見堂や黄金に染まるイチョウの木を目にすることができます。そして、春には周辺に桜の花が咲きます。
四季折々の姿もそうですが、1日でどの時間に訪れるかによっても浮見堂はその姿を変えます。そしてそこには、いつ訪れても美しい奈良の風情があります。
浮見堂の基本情報
住所:奈良県奈良市高畑町山ノ上
電話番号:0742-22-0375(奈良公園事務所)
アクセス:近鉄奈良線近鉄奈良駅より奈良交通バス市内循環外回り4分、春日大社表参道下車後徒歩5分
2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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花月 文乃