これぞドイツのミニバン
フォルクスワーゲンのロングセラーミニバン「シャラン」に追加設定されたディーゼルモデル「TDI」に試乗。日本のミニバンとは一線を画す、質実剛健を地で行く機能優先のたたずまいはこれまでのガソリンモデルと変わらないが、その走りにはどんな違いがあるのか?
ようやく導入されたTDI
自らの不手際のせいで“遅れ”の規模に一層拍車を掛けてしまった感は否めないものの、ようやくにして次々と日本上陸が始まっているのが「TDI」の記号が与えられた、フォルクスワーゲンのディーゼルモデル。
すでにこの先は“EV一択”という姿勢を鮮明にし、フォルクスワーゲングループとして多くの著名ブランドにもそうした体制への変革を迫る(?)現状において、しかし、これまで長年にわたって築き上げてきたディーゼルエンジンに関する技術レベルの高さはやはり侮れない――そんなことを乗るたびにあらためて実感させられるのが、TDIのエンブレムが備わるモデルに共通する、走りのポテンシャルである。
今回試乗したのは、前述の通りモデル末期になってようやく導入となった「ゴルフ/ゴルフヴァリアント」と同じタイミングで日本に上陸を果たした、シャランのディーゼルバージョンだ。
率直なところ、ゴルフや「ポロ」といったメジャーなモデルに比べれば、そもそも日本ではシャランの影はいささか薄い。弟分である「ゴルフトゥーラン」とともにいわゆるミニバンにカテゴライズされ、同時にラインナップ中では唯一リアのドアにスライド式を用いるという点では、なるほどフォルクスワーゲンというブランド内にあっては異端児ともいえるもの。
いかにミニバンがポピュラーな日本市場の中にあっても、「メジャーになる理由はなかなか見当たらない」というのもやむを得ないことかもしれない。...