スポーツカーは祭りだ!
4気筒モデルのバランスのよさも伝えられているが、「トヨタ・スープラ」といえば、やはり直6モデル「RZ」にとどめを刺す。電動化の波が押し寄せるさなかに復活した、古式ゆかしいスポーツカーの魅力を堪能した。
カッコよく見える“角度”
聞けば今回試乗したスープラの「マットストームグレーメタリック」のボディーカラーは抽選販売ですでに売り切れ、再び販売するかどうかは未定という。テレビコマーシャルなどに用いるいわゆるコミュニケーションカラーであり、人気のようだ。オプション価格は34万5600円と高価だが、将来の下取り価格も高いだろうから“行って来い”になるだろう。そういう下世話な損得を抜きに見ても、この色は悪くない。スープラはスタイリングも写真で見るよりも実物のほうがイカすが、この色もそう。写真で見ると使い込んだ文鎮みたいな色に見えるが、実物は当たった光が陰影を強調し、鍛えた体のような迫力がある。ロダンの彫刻のよう。
2018年12月にクローズドコースで行われたプロトタイプ試乗会で初めて実車を見たのだが、その際にカッコよく見える角度とそうでない角度が結構はっきりしているなと感じた。が、どの角度だとカッコよくてどの角度だとそうでないのか、法則がつかめないでいた。発売後に一般道で行われた試乗会で、自分の乗るクルマの前後とも同業者が運転するスープラという状態になった際になんとなくわかった。車内でウィンドウ越しに見るとカッコよくて、外から立って見るとそうでもない。つまり低い位置から見るとカッコよくて高い位置から見るとそうでもないのだと。
もうひとつ画像と実物で異なる点として、スープラは走行中にLEDのDRL(デイタイムランニングライト)が常時点灯しているが、これが画像だとさほど目立たないのに対し、実際に見ると非常に目立つのだ。特に後ろについたスープラをルームミラー越しに見ると、電光の隈(くま)取りを施した歌舞伎役者ににらまれているような感じでやや怖い。...