その名に偽りなし
ランボルギーニV10史上最強と言われた、最高出力640psを誇る「ペルフォルマンテ」のエンジンと、全輪駆動、全輪操舵のドライブトレインが採用された「ウラカンEVO」に富士スピードウェイで試乗。ベビーランボの最終形態はどんな進化を遂げたのか?
背徳の自然吸気V10エンジン
富士スピードウェイの最終コーナーを3速で脱出してフルスロットル。5.2リッターのV10自然吸気エンジンが盛大にファンファーレを奏でる。フォーン! 何百もの金管楽器の合奏がブ厚い音のトンネルを作り、その中をランボルギーニ・ウラカンEVOが疾走する。
そんな音といい、突き抜けるパワー感といい、“寄らば斬る”のレスポンスといい、いま新車で買える最も官能的なエンジンであると言って間違いはないだろう。
世界の平均気温が100年あたりで0.73度も上昇していることが問題となっているいま、「自然吸気(NA)ばんざ〜い!」「NA最高!」と叫ぶのは無責任な姿勢だと言われても仕方がない。けれども理性を吹き飛ばしてしまうほどの魅力を、このV10は備えている。背徳のエンジンだ。
ホームストレートでは先導車をドライブするインストラクターから、「取りあえず、トップスピードは220km/hで様子を見てください」という指示が車載の無線機に入る。
220km/h巡航の車内は、平和そのものだ。ステアリングホイールからは4本のタイヤが正しく地面に接しながら駆動力を伝えていることが伝わり、ぴたりと路面に吸い付いているように感じる。これくらいの速度だと、まるでベルトコンベヤーで移動しているかのように安定している。ドライバーは絶大なる安心感と自信に包まれるから、スピードメーターは200km/hを軽く超えているのに、100km/h巡航ぐらいに感じてしまう。
対前年で販売台数が51%増というランボルギーニ躍進の立役者、「ウラカン」が大がかりなマイナーチェンジを受け、ウラカンEVOとして登場した。カンエボ(と略してみた)のマイチェンの眼目は、以下の4点。
まず、空力性能の向上を実現するためのデザイン変更。4輪駆動、4輪操舵を一括でコントロールする制御システムの採用。そしてエンジンの高出力化。最後に最新のコネクティビティー機能を備えたインフォテインメントシステムへの刷新だ。
と、カンエボの中身のおさらいをしていると、あっという間に1コーナーが近づいてくる。ブレーキングでは、車体をグッと沈める安定した姿勢で速度を殺す。ブレーキはただ利くだけでなく、微妙な踏力のコントロールを反映する繊細さも持ち合わせる。
スポーツカーをスポーツカーらしく乗ると、ファミリーカーとは比べものにならないほどブレーキを踏む頻度が増える。だからスポーツカーにとって、ブレーキのフィールはエンジンと同じくらい重要だと思っている。このクルマのブレーキは制動力もタッチも素晴らしく、コントローラブルだ。...