スキのないデキ
BMWの最上級クーペ「8シリーズ」をベースとする、オープントップモデル「8シリーズ カブリオレ」に試乗。その優雅さと実用性を両立させる仕立てやスーパースポーツ顔負けの走りは、“フラッグシップ・オブ・ラグジュアリー”と呼ぶにふさわしいものだった。
のほほんとしてもいられない
スポーツカーの乗り心地は劇的に改善され、そしてSUVも台頭と、それらを向こうに回す必要にも迫られた大型2ドアクーペのカテゴリーが年々縮小しているのはご存じの通りだ。が、もはやキャデラックやリンカーンにそれを望めないアメリカ市場ではあるものの、大型2ドアクーペの販売台数は相変わらず他地域を圧倒している。
例えばカテゴリー内でベストセラーといわれてきた「BMW 6シリーズ」でいえば、約半数がアメリカ向けだったというから、メルセデスの「Eクラス クーペ」であれ、「レクサスLC」であれ、思いの半分はアメリカに向けられているとみて間違いはないだろう。で、そのアメリカ市場における6シリーズの販売構成で、これまた約半数にのぼるのがオープンモデルだったという。
こうなるとおのずと、その最大商圏はカリフォルニアであることが察せられるわけだが、すなわちこのセグメントはオープンありきで企画され、その出来いかんでは一気にシェアを失いかねないという厳しい状況にさらされていることになる。上位シフトを意識した8シリーズが、6シリーズのニーズをそのまま引き継げる保証もない。優雅なたたずまいの向こうには、エンジニアたちの苦悩や格闘がうかがえる。...