成功作になる予感
人気の“アンダー1000”クラスに加わった、KTMの新型モーターサイクル「790アドベンチャー」。その造りと走りは、ダカールラリー18連覇を成し遂げた強豪ブランドの実力を感じさせるものだった。
大きなニーズが見込める一台
オーストリアのバイクブランドであるKTMは、新型アドベンチャーモデル「790アドベンチャー」と「790アドベンチャーR」の国内販売を2019年5月に開始すると発表した。それに先立ち、メディア向け試乗会を開催した。
今回の790アドベンチャーファミリーは、2017年にコンセプトモデルが、そして2018年にその製品版が、イタリアのモーターサイクルショーEICMAでデビュー。そのタイムスケジュールに1年先行する形で発表された、並列2気筒エンジン搭載のネイキッドロードスポーツモデル「790デューク」とエンジンおよびフレームを共通としながらも、前後足まわりやエンジン出力の特性は変更し、オフロード走行における高い走破性と、長距離走行における快適性に重点を置いて開発された。
実はKTMにとって並列2気筒エンジンは、790が初の試みだ。これまでもKTMは、2ストローク単気筒エンジンや4ストローク単気筒エンジンでオフロード界を席巻し、そのオフロードマシンにロードタイヤを装着した“スーパーモタード”カテゴリーを構築、スポーツできる単気筒エンジン搭載マシンの姿を世界に広めてきた。そして、125ccから690ccまで排気量のバリエーションを持った単気筒スポーツモデル「デューク」シリーズを成功させた。
またその単気筒オフロードマシンから発展した、アフリカ大陸で行われていたダカールラリーでの勝利を見据えて開発されたV型2気筒エンジンを搭載するアドベンチャーファミリーは、ダカールが排気量上限を450ccとしたところで、大排気量を生かした長距離ツーリングと、地形を選ばないアドベンチャーライディングに焦点を当てた、まさしくアドベンチャー=冒険の旅のためのバイクとなった。
こうした成功を手にし、地位を確立してきたKTMが、あえて排気量をアンダー1000の790cc(正確には799cc)に抑え、さらには初挑戦の並列2気筒エンジンを開発してきた理由は明確だ。ここには大排気量アドベンチャーモデルからのダウンサイジング組、中型車からのステップアップ組、さらにはスポーツモデルからのスライド組など、日本を含む欧州や北米など二輪先進国市場を中心に、さまざまなキャリアとキャラクターのライダーが集まる巨大市場となっているからだ。したがってライバルメーカーたちも、この市場にこぞってニューモデルを投入している。...