クールエリートの頂点
アウディ スポーツが開発を手がけた、「A4」シリーズのトップモデル「RS 4アバント」に試乗。その走りは、ドイツで生まれた高性能マシンならではの“クールな全能性”を感じさせるものだった。
代々続いた“超速四駆”
自分にとって、「アウディ・クワトロ」のピークは、20代の頃。つまり30年以上前にやってきた。当時はクルマでスキーに行くのが大変なブームで、そのクライマックスは1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』だった。自分自身は「セリカGT-FOUR」のようなフルタイム4WDとは無縁で、FRやFFにチェーンを巻いて出撃していたが、だからこそアウディ・クワトロは、名前だけでひれ伏したくなる存在だった。
その後も私は、雪道でも二輪駆動にこだわった。基本的に「クルマは滑ったほうが面白い」という思考回路なので。スーパースポーツに関しても同様で、4WDに逃げたら終わりだと思っている。ただしスーパースポーツの場合、雪はもちろん、雨が降っても絶対乗りません。
つまり、雪や雨が降ったら、ハイパワー車は4WDじゃないとどうしようもないということは認識している。そういうコンディションでは、相変わらずクワトロの威光は絶大だ。もちろん現代には、優れた4WD機構を持つスーパースポーツは腐るほど、イヤになるほどたくさんあるが、若い頃の刷り込みは絶大。私の脳内では、クワトロブランドの頂点に立つ「アウディRS」系こそ、バカッ速4WDの頂点に君臨する、伝統の名門ブランドのままである。
そのアウディRS系の中核というか王道というか、メインとなるモデルは、RS 4だろう。近年は「RS 3」と「RS 5」が人気らしいが、本来はRS 4がメインでなければならない気がする。
RS 4は伝統にのっとって、ステーションワゴンのアバントしか設定がないというのが泣かせる(2代目だけはセダンもあったが)。まさに1980年代の「スキー超特急」の血脈が受け継がれているじゃないか。ユーミンの『BLIZZARD』が聞こえてきそうで涙が出る。...