小さくても大マジメ
日本への導入がうわさされる、フォルクスワーゲンの都会派クロスオーバー「T-Cross(Tクロス)」。新たなコンパクトモデルはどんなクルマに仕上がっているのか? スペインはマヨルカ島で試乗した印象を報告する。
極めて戦略的な一台
日本でも、そして世界でも、いま市場が最も盛り上がっているのがコンパクトSUVである。現時点でもマーケットは大きく、さまざまなニューモデルの投入で激しい競争が繰り広げられているにも関わらず、フォルクスワーゲンはその規模が今後10年でさらに2倍になると見立てているという。
このセグメントの面白いところは、何でものみ込むような積載性や、圧倒的な走破性といった本格的なSUV性能は、必ずしも求められていないということだ。特にヨーロッパ勢では、4WDの設定がほとんどないことからも、それは明らか。どちらかといえば、コンパクトカーからの乗り換えの対象として、これまでとちょっと違った体験をさせてくれる、新鮮な気分を味わえるクルマであるといった要素の方が、ニーズとしては大きい。
フォルクスワーゲンのSUVラインナップの末弟として登場したTクロスは、まさにこの市場をターゲットと見据えている。「ポロ」と同じ「MQB A0」と呼ばれるモジュラーユニットから生み出され、車体寸法は全長4108mm×全幅1782mm×全高1584mmと、ポロよりは全方位に大きいものの、セグメントの中で見た時には特に全長はコンパクトに収められている。実はフォルクスワーゲンは、日本にはまだ導入されていないが、Tクロスのひとつ上のモデルとしてすでに「T-Roc(Tロック)」を持っており、こちらは全長4230mmとなっている。拡大する市場に、きめ細かなラインナップで対応しようとしているわけである。...