“ザ・トヨタ”の憂鬱
販売にかつての勢いがないとはいえ、「トヨタ・プリウス」が今もなおトヨタを象徴する車種であることに変わりはない。相撲の横綱に求められるのと同様に、プリウスにもプリウスらしい振る舞いが求められているのだ。最新モデルに試乗し、その出来栄えを確かめた。
「トヨタセーフティセンス」を全車標準化
現行プリウスの国内発売は2015年12月9日だったから、2018年12月17日に正式発売となった今回のマイナーチェンジはデビューからちょうど3年の、オンスケジュールの仕事と考えていい。
新しいプリウスにおいてクルマの主要ハードウエアに大きな変更はない。内外装デザイン面の変更以外では、自動ブレーキやレーダークルーズコントロールを含めた先進安全装備「Toyota Safety Sense(TSS)」の全車標準化とその機能の強化、昨今のトヨタが注力する“つながる化”への対応(=専用通信モジュールの標準搭載)、そして装備類の小改良がある。これらはどれも地味ながら実利的なアップデートといえるし、TSSの標準化はいかにも今っぽい判断といっていい。
ただ、車両後方レーダーセンサーが、いまだに「A」グレード以上の上級機種でしか恩恵にあずかれないものとなっているのはちょっと疑問だ。
今回はその後方レーダーを活用したリアクロストラフィックアラート(RCTA)が新機能として上級グレードにオプション追加されたが、後方レーダーはもともと斜め後方から近づく車両を感知して車線変更時に警告するブラインドスポットモニター(BSM)に使われてきたものである。よって、新しいプリウスでも「S」グレード以下では必然的にRCTAだけでなくBSMもつけられない。Sグレードはプリウスでも間違いなく売れ筋である。プリウスの車格でRCTAはともかく、いまだにBSMをつけられないケースがあるのは、ちょっといただけない。
……といった装備類の手直し以上に、今回のマイナーチェンジで注目されるのは、やはり内外装のデザイン変更。とりわけエクステリアの化粧直しだろう。...