アメリカの良心
アメリカを代表するスペシャリティークーペ「シボレー・カマロ」が、日本導入から1年にしてマイナーチェンジ。2リッターターボエンジンを搭載した「LT RS」の試乗を通し、いまや希少なそのキャラクターと、良質なFRクーペならではの走りをリポートする。
定石どおりのマイナーチェンジ
先ごろ日本に上陸したカマロのマイナーチェンジモデルは2018年11月の販売開始だったから、いわゆる2019年モデルにあたる。そんなことより、現行の6代目カマロがわが日本で発売されたのは2017年11月のことだ。つまり、カマロは上陸からたった1年(!)で、けっこう大規模な整形手術が施されたことになる。普通に考えるとこれは異常事態だ。
ただ、異常なのは日本にかぎったことである。米本国では、6代目カマロは2015年に2016年モデルとして初登場した。つまり、今回のマイナーチェンジは本国ではデビュー4年目というタイミングだから、まあ伝統的なルーティンワークといえなくもない。ちなみにカマロの宿敵である「フォード・マスタング」の現行6代目は2015年モデルでデビューして、2018年モデルで最初の手直し(カマロよりはプチ整形っぽいが)を受けている。昨今のカマロはマスタングをちょうど1年遅れで追いかけるようなカタチになっている。
こうして大幅に強力なイメチェン感を醸し出すことに成功したカマロだが、その手法やセンスはあくまでオーソドックスだ。
このLT RSではプレスパネル部品の変更はないようで、刷新されたのは前後のバンパーなどの樹脂部品と灯火ユニットだけだ。それに、フェイスの大半を覆う大開口(風)のグリルデザインは最近のハヤリである。それもよく見るとバンパー中央部分をブラックアウトさせた視覚効果が主体であり、実際の開口面積は従来とあまり変わっていない。
興味深いのはバンパー中央のボウタイエンブレムが“型抜き”されていることで、なるほど、抜いた分だけの開口面積ははっきり増えている(笑)。ただ、これだけで「エアフローが毎分3立方メートル増加。長時間のサーキット走行では冷却水/エンジンオイル温度を1.2度低減」できるそうだから、実際は笑いごとでない。...