SUVの皮をかぶったスポーツカー
ジャガーのエントリーSUV「Eペース」に試乗。舞台として選ばれたのは冬の長野・白馬村。冬季オリンピックが開催されたこの地で、同車自慢の4WD性能を試すはずだったのだが……。前日の雨で路面から雪は消えていた。
ジャガーの末っ子SUV
英国を代表するプレミアムブランド、ジャガーのエントリーSUVであるEペース。何の予備知識もなくその姿カタチを見ても、これはまぎれもなくジャガーの一員であると分かる。精悍(せいかん)でマッシブな印象を与える兄貴分の「Fペース」に比べマイルドさも感じられるEペースのフロントマスクは、ボルボの「XC60」と「XC40」の関係にも似ていると思う。
ジャガーに敬意を払ってネコ科の動物に例えてみると、Fペースが「アジアンレパードキャット」だとすれば、Eペースはさしずめ「ベンガル」。「ネコ好きじゃないから分からない」という方のためにご説明すれば、前者が東南アジアに生息する野生種で、後者がそのアジアンレパードキャットをベースにいわゆるペットとして改良された品種。見た目は似ており、どちらも身体能力が高く運動量が多い。ただし、アグレッシブさのレベルが野生種とペットではやはり大きく違うのである。
ジャガーのラインナップを眺めてみれば、SUVのFペースに対してセダンの「XF」、同じくSUVのEペースに対してセダンの「XE」という関連付けができそうだが、世の中そう単純ではない。Eペースは「レンジローバー・イヴォーク」との関連が深く、プラットフォームも基本供用している。したがってFペースやXF、XEが後輪駆動用のプラットフォームをベースにしているのに対して、Eペースは前輪駆動用、すなわちエンジンが横置きで搭載される点で大きく異なっている。
一方、Eペースとイヴォークの2台は、足まわりが少々異なっている。イヴォークのサスペンションが前後ともストラットであるのに対して、Eペースはリアがリンクストラットと呼ばれる形式。このリンクストラットは、Fペースのインテグラルリンク式サスペンションと構造がほぼ同じだが、サイズやサブフレームの取り付け位置などに違いを見いだせる。
参考までに各車をホイールベースの長さ別に並べてみると、Eペース:2680mm<XE:2835mm<Fペース:2875mm<XF:2960mmという順番になる。車種によって細かく設定を変えているあたり、走りを重要視するブランドらしいこだわりだと感心する。...