良き時代のスポーツカー
古式ゆかしき“クルマづくり”を今日も守り続ける英国のスポーツカーメーカー、モーガン。そのラインナップの中でも、3.7リッターV6エンジンを搭載したホットモデル「ロードスター」に試乗。富士山麓でのドライブを楽しみつつ、良き時代に思いをはせた。
1930年代の姿そのままに
昨年(2018年)設立されたモーガンカーズ・ジャパンが用意したロードスターのメディア向けデモカーには、ご覧のように“1909”という登録ナンバーが選ばれている。モーガンファンならこの時点でピンとくるはずだが、それは自動車メーカーとしてのモーガンの創業年=1909年を示している。こうして三輪の「3ホイーラー」でスタートしたモーガンは、1936年に「4/4」で四輪車事業に進出した。以来、モーガンはパワートレインを時代ごとにアップデートしながらも、車体やシャシーの基本設計を大きく変えないままつくり続けられてきた。
もっとも、2000年にはそれまでと別物の四輪独立シャシーをもつ新世代モーガン「エアロ8」が登場して、それをベースにした第2世代の「プラス8」も2012年に発売されたものの、これらエアロ8/プラス8は昨2018年に生産が終了してしまった。
現在つくられているモーガンには、1936年以来の基本設計を受け継ぐ四輪車の3グレードのほか、1953年にいったん生産終了した後に2011年に復刻した3ホイーラーがある。つまり、いろいろと曲折を経つつも、今のモーガンは結局、1930年代と大きく変わりない顔ぶれに落ち着いているともいえる。……と書いている真っ最中に、ジュネーブショーで新開発プラットフォームの「プラス6」がベールを脱いでしまった(笑)。
とはいえ、そんな公開したてホヤホヤのニューモーガンをひとまず横に置けば、モーガン・ロードスターは3グレードある現時点での四輪車ラインナップのうち、動力性能ががもっとも高いモーガンという位置づけである。現行四輪車のエンジンはすべてフォード製で、ベーシックな4/4が1.6リッター4気筒、ひとつ上級の「プラス4」が2リッター4気筒、そして現在の最速モーガンとなる今回のロードスターが3.7リッターV6を積む。
フロントがスライディングピラー式、リアがリジッドのサスペンションをもつスチールラダーフレームにアッシュ(トリネコ)材の骨組みとアルミパネルによる上屋を組み合わせた車体構造など、パワートレイン以外の部分は3グレードで“基本的に”共通である。...