完成されたマシン
一時は販売中止に至るも、みごと復活を遂げた「ヤマハSR400」。排ガス対策が施された最新型は、走りに制約を受けるどころか、驚くほど官能的なライディングを楽しめるオートバイになっていた。
いまや貴重なご長寿モデル
ひとつのものを進化させながら長い間作り続けていく。ちょっと聞くと簡単なことのようだが、日本の工業製品でこういうものは決して多くない。そんな中でSRは非常に貴重なマシンだと言うことができるだろう。何しろ1978年に登場してから40年以上、基本的なスタイルとメカニズムを変えずにきている。今回の試乗は、そんな「作り続けることの大切さ」を再確認することになった。
現行型のSR400が登場したのは2018年の秋。その前はどうだったかというと、しばらくの間、カタログから姿を消していた。排ガス規制に対応するための開発を進めていたからである。実をいえば、2008年にも同じようなことがあった。
生産中止になるたび、マニアたちの間では「今回こそ復活できないんじゃないか」なんていう声があがる。何しろ基本設計が40年も前。ヤマハが4ストロークを作り始めた頃のエンジンだからである。70年代中盤まで、ヤマハは2ストローク一筋のメーカーだった。そんなヤマハが初めて開発した4ストロークビックシングルが「XT500」。パリダカの第1回大会で優勝という快挙を成し遂げた名車である。そのロードスポーツバージョンとして生まれたのがSR400なのだ。
排ガス規制が加速度的に厳しくなっているのはご存じの通り。海外でも古くから続いていた伝統的なエンジンが、排ガス規制を乗り越えることができず一新されたりしている。SR400が同じ運命をたどったとしても何も不思議ではない。
対策が難しいのは当然。走りやエンジンのフィーリングがおとなしくなってしまってもしかたない。そう考えていたが、実際に試乗してみてこの考えが完全に間違っていることに気付かされることになった。...