孤高のトップランナー
より未来的なデザインや最新のユーザーインターフェイスを手に、華々しくデビューした新型「ポルシェ911」に、スペイン・バレンシアで試乗。最新の911は最良の911か? 長年繰り返されてきたこの問いを、新型にも投げかけてみた。
プラットフォームの70%をアルミ化
ポルシェ911はしばしば、プラットフォームの基本設計を継承しながらの刷新をフルモデルチェンジとして世に示してきた。なにせ空冷時代は約30年もホイールベースを動かさなかったメーカーだ。そして996型から、一切合切を刷新した991型へとスイッチするまでには、ほぼ15年が経過していた。そういう時系列からいえば、991型から992型への移行は順当なタイミングにもみえる。
それにしてもフルモデルチェンジとは大げさな……と思いきや、992型はエンジン以上にボディーの側に大きな変更が加えられていた。材料置換をさらに推し進め、全体の70%をアルミ化した新しいプラットフォームは、前型の「カレラ4」系に与えられたワイドボディーをデフォルトとし、前側のトレッドが一気に拡大。前後異径のタイヤを履くなど、確かに完全刷新級の手が加えられている。グループ内の「アウディR8」や「ランボルギーニ・ウラカン」あたりとの共有性をもたせるといううわさは以前からささやかれているが、ホワイトボディーのカットモデルを見るに、992型では前後のコンパートメントおよびキャビンという3セクション化がさらに明確にされたようにもうかがえ、しかもポルシェ自らが「MMB」、つまりミドエンジン用モジュラーと名乗るようになってきたということは、いよいよそれが現実化しつつあるのかもしれない。
エンジンは991型後期で展開されたライトサイジングコンセプトの3リッターフラット6ツインターボを踏襲。ピエゾインジェクターの採用やタービンの大径化、クーリングチャンネルの高効率化などで前型の「S」系グレードよりも30ps向上の最高出力450ps、トルクも30Nm増しの530Nmとなっている。PDKの8段化で効率向上をもくろむ一方、MTの有無は定かではなく、ベーシックな「カレラ」の登場も未定と、不明瞭なところも多い。WLTPモードの認証作業に多くの手数が費やされている欧州の自動車メーカーは、全般に新型車のローンチスケジュールが狂っている傾向だが、ポルシェもご多分に漏れずということだろう。...