盤石の正常進化
フルモデルチェンジした「アウディQ5」を試すため、リポーターはメキシコへ。大ヒットモデルは、どのような進化を果たしたのか? ガソリンターボモデルと、従来型では国内未導入だったディーゼルモデルの試乗を通じて、そのポイントを探った。
生産はメキシコの新工場で
5mを大きく超えた全長に、2mに迫ろうかという全幅。日本人の感覚からすれば“巨体”と表現をするしかなかったアウディ初のSUV「Q7」。これが2005年秋のフランクフルトモーターショーで発表されてから2年半後、すなわち2008年春に今度は北京モーターショーでアンベールされたのが、名称から“Q7の弟分”であることが明らかなQ5だった。今回の主役である。 こちらも1.9m級の全幅の持ち主ゆえ、やはり「コンパクト」という表現を使いづらいのは事実だ。
それでも、4.6m級の全長や5m台半ばの最小回転半径などから、Q7に比べれば“身の丈感”がグンと強かった。実際、日本の街中でもさほど持て余し感はなかったというのが、Q5に触れての個人的な印象でもあった。 そんなQ5が、初めてのフルモデルチェンジを実行。2代目モデルへと進化を遂げた。
2016年9月のパリモーターショーで披露された新型Q5を、早速テストドライブした。舞台はメキシコのカリフォルニア半島最南端。過酷さで知られるバハ1000マイルレースのゴール地点近くで、最近では世界的なホエールウオッチングの名所としても知られるロス・カボスにある、大規模なリゾートホテルが拠点となった。
それにしても、なぜドイツブランドがメキシコの地で国際試乗会を開催したのか?
その理由として、もちろん「年間300日以上が晴れで、平均気温も25度近く」という、テストドライブにはなんともふさわしい気候もあったことだろう。暗くて寒い冬のドイツを離れ、温暖な海岸地帯で過ごしたいという、イベント運営チームメンバーのたっての願望(?)も、少しは含まれていたのかもしれない。 が、新型Q5はそんな事情とは別に、メキシコという国とまさに切っても切れない縁が存在する。実は、ドイツ国内で生産が行われた従来型とは異なり、新型はそのすべての車両が、メキシコに新設された工場で生産されるからだ。...