風当たりは強くても
2018年8月の一部改良でハイブリッドシステムのエンジンサウンドや変速制御のチューニングを行い、制振材の追加などにより静粛性を向上させたという、レクサスのフラッグシップサルーン「LS」。果たして熟成は、どこまで進んだのだろうか。
改良部分の公表は最小限
2017年の秋に5代目へと生まれ変わったレクサスLSの、メディアにおける評価は、フラッグシップサルーンなのにというべきか、フラッグシップサルーンだからこそというべきか、どうにも厳しいものばかり。まるでつるし上げを食らってるかのようで、気の毒に思えてならなかった。けれど、火のないところから煙は上がってこないものだし、僕よりはるかにこのカテゴリーに強いプロフェッショナルである諸先輩方の評価だから信頼の確度も高いはずだし、まぁどのアングルからクルマを見るかにもよるだろうけど、そういうところもあるのだろうな、ぐらいに思っていた。
そんなふうに気楽でいられたのは、これまで5代目LSに触れるチャンスがないままここまできていたからだった。もちろんレクサスにお願いすればお借りして乗ることはできたかもしれないけど、テストカーはレンタカーじゃない。記事にするあてもないのに乗り回すのはどうにも気が引ける、という昔ながらの編集者だった頃の習い性が邪魔をして、それもしなかった。自動車ライターの仕事は発注と受注があって初めて成立するのだ。
ところがここにきて、昨年の夏に改良を受けた最新の「レクサスLS500h“エグゼクティブ”」の試乗のお誘いをいただいた。正直に白状するとちょっと気が重かったのだけど、仕事である。ありがたくお引き受けした。なぜ気が重かったのかといえば、その改良に関してのプレスリリースを読む限りでは、4WDモデルについて「ショックアブソーバーは伸圧独立オリフィスを採用することで減衰力可変幅の拡大や摩擦低減など乗り心地が向上」と記されていたが、試乗車はFRモデル。500hそのものについては「マルチステージハイブリッドシステムのエンジンサウンドや変速制御のチューニング、制振材の追加などにより静粛性も向上」とあっただけだ。車内は静かになっているかもしれないし、変速はスムーズになったり適正さを増したりしているのかもしれないけれど、それ以外は“厳しい”状態のまま? と。...