ヒエラルキーを揺るがす
「ポルシェ718ボクスター」に設定された、装備満載の最上級グレード「GTS」。365psを発生する2.5リッター4気筒ターボと、さらにスポーティーに調律された足まわり、アクティブトルクベクタリングに代表されるハイテクが織り成す走りをリポートする。
すっかり浸透したライトサイジングエンジン
現行モデルとして日本で販売されている718ボクスターシリーズは、全部で3モデル。最高出力300psの「718ボクスター」、その上位モデルである最高出力350psの「718ボクスターS」、そして2017年のロサンゼルスショーで“ワールドプレミア”された、最高出力365psの718ボクスターGTSというラインナップだ。3モデルとも水平対向4気筒ターボエンジンをリアミドに搭載し、2シーターのオープンボディーを採用。端的に紹介すれば、エンジン出力と装備によってヒエラルキーが決まるといういつもの手法である。
往年のポルシェファンにとっては、ターボは別格、自然吸気エンジンの最高峰がGTSというグレードだった。しかし、そんな時代は今は昔。ターボ化を精力的に進める現在のポルシェにあって、このGTSグレードは718ボクスター/ケイマンからブランドアイコンたる「911」まで、漏れなくターボモデルとなる。デビュー当初は、6気筒から4気筒への“ライトサイジング”がなされた718系のエンジンは、「いかにも水平対向エンジンらしい」サウンドが「いまいちスポーティーでない」や「ポルシェらしさに欠ける」といわれたものだが、ジャパンプレミアから丸2年、そうした声もいつの間にか小さくなっているように感じる。
そんなことを考えながら、スペックシート(日本販売モデル)を眺めていると、718ボクスターSとGTSの細かな違いに気づく。例えば前述のエンジン出力はもちろんだが、全長は718ボクスターSに対してGTSは6mm長く、全高は10mm低い。車高はよりスポーティーなサスペンションの装備によるもので、リップ部分を立体的に造形し直したフロントスポイラーの採用で4385mmへと全長が伸ばされている。ホイールは1インチアップの20インチサイズが標準。ヘッドライトは内側がブラックアウトされたバイキセノン式、精悍(せいかん)なスモークタイプのレンズを採用したリアコンビネーションランプも、両モデルを識別するポイントになるだろう。...