ライバルはいない
DSブランドのフラッグシップにして初のSUVとなる「DS 7クロスバック」。きらびやかなデザインもさることながら、その走りもまた、フランス車ならではの個性が感じられるものだった。
SUVブームの産物
DSという名前には深い思い入れがある。学生時代初めて訪れたパリで目撃した、「シトロエンDS」のスタイリングの衝撃。まだ青かった自分は、そのあまりの違和感に吐き気すら覚えたが、長い潜伏期間ののち、心底見とれるようになった。
シトロエンDSは私にとって、フェラーリよりはるかにハードルの高い、永遠のあこがれのクルマなのだ。でもさすがに元祖DSは買えないので、「エグザンティア」や、ラストの「C5」を経て、現在は「DS 3」のオーナーとなっている。DSがシトロエンから分離して、独立したブランドになるべきだったとは特に思わないが、なにせDSという名がついていれば、それだけでかなり特別なクルマではある。
そのDSから、DS 7クロスバックなるSUVが登場した。「高らかにフレンチラグジュアリーカーの復活をうたうフラッグシップSUV」なのだそうだ。しみじみ、世界的なSUVブームなのだなぁ。もう「C6」みたいな大型セダンは出せないけれど、SUVだったら売れる見込みがある。出せる! そういうことなのですね。しかもこのクルマ、マクロン現フランス大統領の専用車でもある。オランド前大統領の専用車は「DS 5」だったので、それを考えても、しみじみ、SUVブームなのだなぁ。 パッと見、サイズ感がつかみにくいが、「マツダCX-5」より45mm長く、「アルファ・ロメオ・ステルヴィオ」より100mm短い。日本人の感覚としては、中ぐらいよりちょっと大きいクロスオーバーSUV、というところか。アウディでいえば、「Q3」よりはかなり大きいけれど、「Q5」よりはそれなりに小さい。このゾーンにはライバルがあまりいないので、あえてその空白を狙ったのかも。
ただ、印象としては、やっぱりQ5クラスに近く見えるので、その割にこの価格設定(469万〜562万円)は、相当お安く感じる。...