やっぱり“いつかはクラウン”
先代まではオーナーの平均年齢が60歳を軽く超えていたという「トヨタ・クラウン」。このほど発売された新型には、ユーザーの若返りという使命が託された。40代半ばを超えたばかりのモータージャーナリスト塩見 智は、新型をどう評価する?
オペレーターにいつでも“つながる”
最も印象的だったので見た目や動力性能についてよりも先に書くが、今度のクラウンはつながる。自分のクラウンをLINEの「友達」に設定し、自宅で目的地を書き込んでおくと、乗り込んだ時にはもう目的地がカーナビに設定されている。目的地まで現在のガソリン量で足りるかどうかなどをクラウン(にふんしたAI)とトークすることで知ることができるのだ。ちゃんとドアロックしたかどうか、ヘッドランプを消し忘れていないかどうかを、クルマを離れて確認することができる。さらにスイッチひとつでトヨタが独自に展開する「T-Connect」サービスのオペレーター(こっちは本物の人間)につながるので、目的地をセットしてもらったり、行きたいレストランの予約を代行してもらったりすることができる。これらはすべて車載通信機のDCMが全車に標準装備されているから可能なことだ。
楽をするためだけにつながるのではない。事故や急病によって自分の位置や状態を110番、あるいは119番通報するのが難しい場合、なんとか手を伸ばしてスイッチを押しさえすれば非常事態であることが位置情報とともにT-Connectサービスに伝わる。また、エアバッグが展開すると自動的にオペレーターへつながるとともに、車両が受けた衝撃の強さが一定以上のレベルに達していた場合には、ドクターヘリが現場へ向かう手続きも始まる。
ちなみに同じタイミングで登場した、クラウンよりもずっと価格が安い「カローラ スポーツ」にもほぼ同じ機能が全車標準装備される。いったい何人のオペレーターが365日24時間待機しているのだろうか。トヨタが時々見せる本気というやつだ。通信料は3年間無料。4年目以降は1万6000円+税/年。タッチパネルによる目的地入力から完全に解放されるためだけでも価値がある料金だと思う。...