いい仕事ができそうな気がする
デビューからおよそ4年がたち、マツダのフラッグシップモデル「アテンザ」にマイナーチェンジが施された。“人間中心の開発哲学”に基づき最新の技術を投入したという、改良版の仕上がりやいかに? ディーゼルのワゴンモデルで確かめた。
食わず嫌いを直すには
最近のマツダは統一感のある躍動的なデザインがいい、と評価する人も多いと思うが、実をいうと私はあのアグレッシブなフロントグリルはちょっと苦手だ。それよりも改良を積み重ねてきたまっとうな中身にこそ真価があると思う。だが、パッと見て人目を引かないメカニズムや細部の工夫はなかなか目に留まらない。しかも実際に使う人でないとその効果が分かりにくい。となれば、より派手で分かりやすいものが優先され、そうでないものは後回しにされがちなのは、商売ではよく聞く話である。
たとえば、「アクセラ」に続いて今回アテンザにも採用された例の「G-ベクタリング コントロール」にしても、「ドライバーに分かりやすくアピールできないものは採用する意味はないのでは」という意見も実は社内にはあったらしい。だが「効果があるならやろう、やるべきだ」と判断された。この辺に派手な「やっちゃえ」とは異なるマツダの考え方が表れていると思う。結果としてここ数年で、マツダ各車は以前とは見違えるように上質になった。デザインや内装がどうの、という表面的な話だけではない。今では新世代モデル全車がオルガン式アクセルペダルを採用し、適切なドライビングポジションが取れるコックピットを備えている。これは基本的な車両パッケージングに関わるだけに、小手先でどうにかなるものではない。10年も前から始まった社運を賭けた取り組みが、今、実を結んでいるというわけだ。あの当時、ハイブリッドモデルを持たずにこの先どうするつもりなのか、と詰め寄った新聞記者の皆さんにこそ、新しいマツダに乗ってその進化を体験してほしいと思う。...