新たな伝説がここから始まる
新生「アルピーヌA110」に南仏マルセイユで試乗。新しいA110の軽さ極まるフットワークを体験すれば、このクルマがアルピーヌの正統的後継者であると同時に、一台の普遍的な魅力を備えたスポーツカーであることが、すぐに理解できるはずだ。
タイムレスな存在にしたい
アルピーヌA110といえば、まさに伝説のスポーツカー。とはいえ、筆者は残念ながらオリジナルのステアリングを握ったことはなく、正直に言うと、最初にアルピーヌ復活と聞いた時も、それだけで胸が高鳴ったというほどではなかった。
ところが、ひょんなことから日本でのコンセプトモデルのお披露目の前にパリにて開発陣と会う機会があり、そこで興味深い話を聞けたことから、にわかに気持ちが盛り上がりだした。単なるリバイバルにするつもりはなくタイムレスな存在にしたい、忘れかけていた楽しさを思い出せる走りになる……その時に聞いたのは、そんな言葉。そして、あれから1年を経て巡ってきた南仏マルセイユでの試乗の機会に、そうした言葉はすべて現実だったと確認できたのである。
新生A110の実車は、全長4180×全幅1798×全高1252mmという数値以上に小さく感じられる。無論、それは良い意味で。絶対的にも小さいが、その上でオリジナルを想起させるなだらかに下がったリアの造形や、床下でダウンフォースを生み出すため大げさなウイング類が省かれたことなどから、殊更そう感じられるのだろう。
オリジナルA110が1977年以降もモデルチェンジを経ながら今まで続いていたら、というのが、デザインの狙いだったという。過去と未来をつなぐというのは、まさにそういうこと。実際、その役割はしっかり果たされているように思う。...