クセがあるから面白い
いよいよ日本にも導入されたファン待望のスポーツセダン「アルファ・ロメオ・ジュリア」。そのラインナップのなかから、今回は280psを発生する「ヴェローチェ」の4WDに試乗。その走りの特徴を、アルファの4WDの歴史とともに紹介する。
量産モデルとしては約25年ぶり
新型ジュリアは、しばらく空席になっていた「BMW 3シリーズ」クラスのアルファ・ロメオの復活である。それと同時に、10年ほど前に限定販売された「8Cコンペティツィオーネ」を例外とすれば、これは1990年代初頭に生産終了した「75」以来、約25年ぶりとなる量産FRアルファでもある。
アルファがフィアット傘下におさまったのは1986年のことで、当時のフィアット系はすでに全車がエンジン横置きのFF車になっていた。また、アルファにもそれ以前からFFコンパクトカー(アルファスッド)の経験はあった。それでも“ちょっと高級”や“スポーツ”といった同社の伝統的イメージからすると、75の後継機種は縦置きFRレイアウトが好ましかったのだろうが、当時のクルマ技術からすると、それも現実的ではなかった。 というわけで、実際にフィアット傘下で企画・開発されたアルファの量産機種は、基本的にすべてが横置きFF車となった。
しかし、時代は変わり、技術も進化する。 グループ内でアルファに車格が近かったランチアは今や絶滅寸前。現在は欧州の一部市場で「イプシロン」がかろうじて残っているだけで、とてもアルファと兄弟車戦略を展開できる状況ではなくなった。同時に、フィアットはいつしか米クライスラーと一体となり、それを足がかりに、アルファを20年ぶりに北米市場に再参入させることにした。2014年のことだ。
こうしたもろもろの現実や思惑から、今のアルファはマセラティとのつながりを強めている。前記の8Cやミドシップの「4C」はマセラティ工場での生産である。また、現在はクルマづくりの技術も進化して、以前のようなプラットフォームの大規模共用化を必要としない。そうした最新技術とマセラティとの共闘戦略があったからこそ、今回のジュリアでマニア待望の“アルファ量産モデルの縦置きFR化”が実現したというわけだ。...