6代目は原点回帰
30年を超える歴史を持つハイパフォーマンスセダン「BMW M5」が、6代目にモデルチェンジ。600psのV8ツインターボエンジンに、新採用の8段AT、そしてモデル史上初の4WDシステムと、話題満載の新型の実力を試した。
4WD化の背景に見る事情
M5はG30系の現行「5シリーズ」をベースに生まれたこのモデルで6代目。M社が主導的に手がけてきたプロダクションモデルの中では、ゼロベースで生まれた「M1」を除けば、「M3」と並んで最古参に近い存在となる。
かれこれ30年以上にわたるその歴史の中で、この新型はかつてなく大きな変貌を遂げたモデルとして記憶されることになるはずだ。が、ともすればそれは否定的な捉えられ方をされることになるかもしれない。
その最大の焦点となるのは、Mを冠するモデルの中でも最も高い純度が期待されるカテゴリーにあって、初めて「xDrive」すなわち四駆を採用したことだろう。これは止まらないエンジン出力の向上に対応する手だてでもあるし、米国を筆頭とする主要マーケットのユーザーの要望でもある。くしくも最大のライバルであるメルセデスAMGの「E63」ばかりか、感性的な性能を最も重んじるアルピナの「B5」さえ四駆を選択したとあれば、M5もFRに縛られる理由はないと判断したのだろう。が、そのドライブトレイン制御の選択肢の中には、ひそかに0:100の後輪駆動固定モードが盛り込まれていたりもするなど、原理主義的なユーザーへの配慮も抜かりはない。...