悪友に再会したような気分
新型「ジュリア」はアルファ・ロメオの復活を印象付ける力作だ。ドライバーズシートに収まり、久しぶりのFRシャシーを操ると、かつて馴染(なじ)んだあの感覚がよみがえる。まるで悪友に再会したような気分だ。510psを誇る「クアドリフォリオ」に試乗した。
あいつ、いま、どうしてる?
このところのアルファ・ロメオは昔なじみが集まった会合で、「そういえばあいつ、最近どうしてるか知ってるか?」と消息をうわさされるような存在だった。直近のニューモデルは「4C」だが、その登場はもう4年も前、しかもマニアックなミドシップ2シーターだから、台数はそもそも見込めない。ついでにいえば出来栄えも少々期待外れであり、変化する時代の中でちょっと忘れられたかつての人気者といった扱いだったように思う。ところが最近は一転、ジュリアに続いて初のSUVモデルである「ステルビオ」も発表され、すこぶる鼻息が荒い。歴史を知る者には逆にその勢いが心配になるのだが、まあ今度こそうまくいってほしいものである。
新型ジュリアはアルファ・ロメオにとって久しぶりのボリュームモデルであり、また忘れるぐらい久方ぶりの後輪駆動車でもある。セダンとしては「75」以来ということになるが、もう四半世紀はたつから、今ではアルファ・ロメオがもともと後輪駆動車メーカーだったことを知る人も少ないのではないだろうか。したがって名前は懐かしい人気モデルを復活させた形だが、初のFRモデルと言ってもいいぐらいだ。新しいジュリアは、ドイツのプレミアム勢に真っ向勝負を挑み、さらには米国本格進出という悲願を達成するための意欲的な、いやむしろ野心的と言っていいニューモデルである。
それにしても発表から日本導入まで2年もかかるのでは、あいつ、どうしてるんだっけ? と言われても仕方ない。だがステアリングを握れば、お前、まるで変わってないなあ、と懐かしさとうらやましさに、ちょっとあきれる気持ちが入り交じり、思わず苦笑いが漏れるようなスポーツセダンだった。...