スッキリ辛口
フルモデルチェンジした「アウディQ3スポーツバック」に試乗。プラットフォームやパワートレインこそ従来型の改良版ではあるものの、内外装のデザインやインフォテインメント、効率性のすべてにおいて大幅な進化を遂げたという。その仕上がりやいかに。
クルマ好きにはたまらないシャシーセッティング
早朝の都心を「アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト」でスタート。首都高速に上がった瞬間、心も体も覚醒した。首都高名物の路面のつなぎ目を乗り越えた瞬間、ビシッという鋭いハーシュネスが脳天を貫いたからだ。
続いて、中速コーナーが連続するセクションに進入したところでもう一回、目が覚める。ハンドル操作に対して、「一糸乱れぬ」という表現を使いたくなるほど、スパッと鮮やかに向きを変えたからだ。ここ数カ月で試乗した多くのスポーツカーよりも、動きが俊敏だ。背の高さをいささかも感じさせることがない、アジリティーの高さ。
中速コーナーからの脱出で、既に目は覚めていたけれど、今度は目を見開くことになる。アクセルペダルを踏み込むと、控えめな音量ながら「クイーン」という快音とともにエンジンが回転を上げ、胸のすくような加速を味わわせてくれる。
ありゃりゃ、今日の試乗車は「SQ3」だっけ? と思って、前が詰まって停車したタイミングで助手席に置かれたスペックシートにちらりと視線を送ったけれど、車名に「S」の文字はない。「S」の文字があったのはパッケージオプション。試乗車は「Sライン」仕様だった。
非Sライン仕様車にはまだ乗っていないので比較はできないけれど、スポーティーな足まわりが与えられ、255/45R19というサイズのタイヤを履くSライン仕様車は、本格的なスポーティーモデルというか、なかなかの武闘派だ。ちなみに標準仕様のタイヤサイズは235/55R18だから、Sラインのタイヤはかなり太くて薄い。
三度のメシよりクルマが好き、という人には文句のないセッティングであるけれど、休日は高原のビストロで優雅に食事を楽しみたいという家族や友人からは文句が出るかも、という仕上がりになっている。
というわけで、試乗した個体が標準仕様とはかなり異なるスペックを与えられたSライン仕様だったことを前提としてお読みいただければ幸いです。...