本場の本物
カフェレーサーの本場である、イギリスのトライアンフがリリースした「スラクストン400」。車名のとおり、カジュアルに楽しめる400ccクラスのマシンではあるのだが、その実物からは、エントリーモデルとは思えない本物の香りが漂っていた。
本場仕込みのカスタムスタイル
バイク乗りであれば、カフェレーサーというジャンルがあることを知っているだろう。
1960年代のイギリスには、リーゼントに革ジャンというファッションでバイクにまたがり、スピードに酔う、ロッカーズと呼ばれる労働階級の若者がいた。彼らは愛車をレーサー風に仕立て、夜な夜なカフェに集まっては速さを競っていた。発祥の地とされるのはロンドンにある「エースカフェ」で、ライダーたちはジュークボックスで曲をかけ、その曲が終わるまでに戻ってくるという公道レースに興じていたという。こうしたムーブメントから生まれたのがカフェレーサーで、クリップオンハンドル、ロングタンク、シングルシート、バックステップなどを特徴としていた。
1970年代あたりからは、メーカー自身がカフェレーサースタイルのモデルを送り出すようになった。ヨーロッパのみならず、あのハーレーダビッドソンも「XLCR」というモデルを販売したほどだ。日本では“ヨンフォア”こと「ホンダCB400FOUR」あたりがルーツだろうか。
僕もこのスタイルにあこがれたひとりで、「モトグッツィ850ルマンIII」を手に入れて楽しんでいた。しかし歳を重ねるにつれて前傾姿勢がつらくなり、泣く泣く降りたのだ。なのでトライアンフ・スラクストン400の試乗の話をいただいたとき、体がついていけるか、一抹の不安があった。その一方で、カフェレーサー発祥の国の最新モデルがどうなっているのかに興味もあった。...