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なぜ中古車販売店では、車両の背景情報や前オーナーのエピソードを伝えることがあるのか?


どうすればお金をかけずに、売上や利益をもっと増やせるのか? この切実なお悩みに答えるのが、人気の販促コンサルタント・岡本達彦氏の最新刊『客単価アップ大事典 「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』(ダイヤモンド社刊)です。同書は、「行動経済学×現場目線」で「つい買いたくなる」販促の仕掛けとは何かを言語化した初の書。本書が提示するのは、「お客様の購買行動そのものを変える設計とは?」です。どうすれば、「利益が残る経営」へと変われるのか? 本連載では、『客単価アップ大事典』に収録しきれなかった事例の中から、現場ですぐに導入でき、成果につながりやすい客単価アップの仕掛けを厳選してご紹介していきます。

「年式と距離」しか見ていなかったはずなのに、
その一台に惹かれる理由

中古車販売店で何台もの車を見比べているとき、車両情報の中に「ワンオーナー」「定期点検記録あり」「前のオーナーが丁寧に乗っていた一台です」といった背景情報が添えられていることがあります。

年式や走行距離はほとんど同じ他の車もあるのに、その背景情報を見たことで「この車は安心できそうだ」と感じることがあります。

このような車両の背景情報は、単なる説明ではありません。

数字だけでは伝わりにくい安心感や個別の価値を補い、同条件の車との違いを感じてもらうための販促上の工夫と考えられます。

「物語」があると、
ただの商品ではなくなる

年式、走行距離、装備、価格といった数値情報だけで車を比較すると、お客様の判断基準はどうしても価格に寄りやすくなります。

同じような条件であれば、安いほうが選ばれやすくなるのは自然です。

しかし、「前のオーナーが定期点検を欠かさなかった」「大切に乗られてきた」といった背景情報が加わると、その車は単なる同条件の一台ではなく、「安心して選べそうな一台」として印象に残りやすくなります。

物語や背景情報は数値化しにくいため、価格だけでは比較できない価値を感じてもらう材料になります。

「丁寧に扱われてきたもの」への
安心感が生まれる

もう一つの理由は、前のオーナーの扱い方を想像することで、目に見えにくい部分への不安が和らぐことです。

中古車は、見た目や走行距離だけでは、内部の状態まですべて判断できません。

そこで、「定期点検を欠かさなかった」「整備記録が残っている」「丁寧に乗られていた」といった情報があると、お客様は「大切に扱われてきた車かもしれない」と感じやすくなります。

もちろん、最終的には整備記録や保証内容、現車確認などの客観的な情報も重要です。

しかし、背景情報があることで、数字だけでは伝わりにくい安心感を補うことができます。

他のお店でも使える
「物語による価値付加」設計

・骨董品店・古道具店
商品に「誰がどのように使ってきたか」という由来を添えることで、同等の品質の品との違いを感じてもらう

・中古住宅・リフォーム済み物件
「丁寧にメンテナンスされてきた住まい」「家族で大切に暮らしてきた家」といった居住歴のエピソードを添え、物件への安心感を高める

・ヴィンテージ家具・楽器店
以前の所有者や使われてきた環境のエピソードを添え、年式や状態だけでは測れない価値を伝える

まとめ

中古車販売店で車両の背景情報や前オーナーのエピソードを伝えることがあるのは、単なる安心材料の提供だけではありません。

・数字だけでは伝わりにくい固有の価値を伝える
・価格以外の判断材料を加えることで、同条件の商品との差別化を図る
・目に見えにくい品質への不安を、整備記録や背景情報によって和らげる

という、物語や背景情報を活用した、納得感のある客単価アップの戦略なのです。

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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