「AIブームによる株価バブルは大丈夫?」「中東情勢や利上げの懸念はどうなる?」――。市場の先行きに注目が集まる中、BNPパリバ・アセットマネジメントが「2026年下半期の投資見通し」を公表しました。結論から言うと、いまの株価水準は、収益の裏付けがしっかりしているため株価は適正水準を保っており、AI主導の成長ストーリーはまだまだ継続する見込みです。足元の相場で明暗を分けた「ハードウェア銘柄」の影響力や、中央銀行の金融政策のゆくえなど、投資家が今知っておくべき相場の現在地と今後のシナリオをわかりやすく紐解きます。
中東情勢の緊迫化を乗り越え、株式市場は好調に回復!
「ハードウェア株」が圧倒的な影響力を発揮
2026年7月にBNPパリバ・アセットマネジメントは、「2026年下半期の投資見通し」を公表しました。株式市場は引き続きAI主導の成長を享受する一方で、バブルを懸念する声も聞かれます。ただ、収益の伸びが堅調であることから株価のバリュエーションは適度な水準にとどまっているとの見解を示しています。
2026年4〜6月期の株式市場の動向を振り返ると、主要な株価指数の大半が、米国とイランの紛争をきっかけとした下落から回復し、好調な成績になりました。中東情勢は完全に解決したわけではないものの、原油価格は紛争前の水準近くまで値を戻しました。株式市場では、この紛争がもはや世界経済にとって重大な脅威とはならないとの見方が有力になっているようです。
マクロ経済のファンダメンタルズや金融政策は、常に株式市場の成績に影響を与える要因として重要です。しかし、足元の局面で上昇率の差をもたらしてきた主な要因は、各指数におけるテクノロジー株、その中でもハードウェア企業の構成比の違いでした。
勝敗の分かれ目は市場を支配する「テクノロジー・ハードウェア」
4〜6月期にグローバル全体で50%超の上昇率を記録!
主要な地域・国の株価指数において、「ハードウェア企業」「ハードウェアを除くテクノロジー企業*」「その他のセクター」の3つに分けて上昇率を計算したところ、そこには顕著な差が見られました。「ハードウェア企業」のカテゴリーでは4〜6月期にグローバル全体で50%超の上昇率を記録。これに対して、残り2つのカテゴリーの上昇率は、8.9%と5.9%でした。
*ハードウェアを除くテクノロジー企業とは、テクノロジー、総合小売、双方向型メディア・サービス、ソフトウェア・サービスのセクターからテクノロジー・ハードウェアを除いたもの
また、国や地域による上昇率のばらつきが最も大きかったセクターは、「テクノロジー・ハードウェア」で、42%〜95%でした。その一方で、中国株がハードウェアを除く新興市場全体の上昇率をマイナスまで引き下げています。テクノロジー以外のセクターについては、地域や国による上昇率の差は比較的小さく、2.9%〜9.1%の範囲にとどまりました。
なお、マクロ経済に目を向けると、2026年初めに一部で予想されていたスタグフレーション(不況下での物価上昇)への懸念は、大幅に緩和されました。中央銀行の利上げペースは、市場が現在織り込んでいるほど積極的ではない可能性も出てきています。
AIへの投資は依然として堅調であり、大規模な人員削減に関する懸念は、現時点では表面化していません。こうしたことから、堅調な利益成長と適正な株価水準を背景に、株式市場は2026年下半期に向けて良好な位置づけにあるとの見方を維持しています。
ただ、株式市場をテクノロジー・ハードウェア株が支配しているということは、将来的な地域別・国別の株価指数の成績の予測には、指数におけるハードウェア銘柄の構成比率を踏まえる必要があるということです。そして、ハードウェア企業の先行きを把握することも重要になります。その点も踏まえて投資信託の投資先を選ぶ必要がありそうです。
本記事は2026年7月11日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。