私たちが「一生のうちにスマホを見る時間」は、平均で14年以上。
そんな衝撃的な事実に向き合い、「時間が溶けていく毎日」から抜け出す方法を示した話題の1冊が『脱スマホ術』です。
著者・戸田大介さんは、500万ダウンロード突破の国内No.1集中アプリの開発者。開発者だからこそ気付けるスマホの落とし穴と対策ついて解説します。
知らないうちに見ている
スマホ時間の多くは、「ほんの小さな操作」でできています。
朝起きて、少し見る。
トイレで、少し見る。
電車で、少し見る。
仕事や家事の合間に、少し見る。
寝る前に、少し見る。
そして、見始めたSNSから動画に移る。
次の動画を見続ける。
自覚すらなく、動かされている
スマホの怖さは、「強制されている感じ」がないことです。
誰かに命令されているわけではありません。
鎖でつながれているわけでもありません。
自分の意思で、スマホを開いているように見えます。
しかし実際には、私たちの行動はかなり巧みに動かされています。
通知が来る。
赤いバッジがつく。
次の動画が自動で再生される。
画面をスクロールすると、新しい投稿が出てくる。
「もう少しだけ」と思った瞬間に、別の刺激が流れてくる。
これは、たまたまそうなっているわけではありません。
スマホの多くのサービスは、私たちができるだけ長く見続けるように設計されています。
「動かされている」と気づく機会すら与えずに。
意志が弱い、とかじゃない
ここで大事なのは、スマホを見てしまう人を責めないことです。
スマホを見すぎてしまうのは、意志が弱いからではありません。
自己管理能力が低いからでもありません。
むしろ、スマホ依存の症状がない人の方が、ずっと稀です。
人はSNSや動画サービスの会社の、あまりにも巧妙な設計によって、気づくことすらなく行動を変えられ、スマホの画面に釘付けにされています。
ひとつひとつは小さな操作ですが、それらは積み重なると平均で、人生で14年分にもなります。
でも気づけば変えられる
ですが、気づいてしまえば、スマホ時間を減らすことは可能です。
たとえば動画の自動再生をオフにするだけで、人は毎日20分以上もスマホ時間を減らせます。
もちろんスマホ時間が悪いというわけではありません。
一方で、「ついスマホを見すぎてしまった」と後悔している方が多いのも、また事実。
もしそのような後悔がある方は、この機会にスマホ対策を知っておくのもよいかもしれません。
いくつかの対策で、毎日1〜2時間くらいの自由を増やし、その効果がこの先ずっと続く。
そう考えると、悪い話ではないのではないでしょうか。
戸田大介(とだ・だいすけ)
山形県出身。新卒で電通アイソバー(現・電通デジタル)に入社。データアナリストとして勤務したのち、bondavi株式会社を創業。データと行動科学の知見をもとに、人の前向きな行動を引き出すアプリの開発に取りくむ。全アプリを広告なし・無償で提供し、ユーザー任意の寄付により運営している。『継続する技術』『集中』は国内有数のヒットとなり、累計ダウンロード数は1000万を超える。著書『脱スマホ術』『継続する技術』。