「“言語化”疲れで、“言語化”という言葉にモヤモヤする」
「即答するよりじっくり考えるほうが大事なのでは?」
「別に“口下手”のままでもいいじゃないか!」…
など、まったく新しいコミュ力を説いた書籍『言語化だけじゃ伝わんない ---- 絵を描くように「考える・伝える」技術』が発売された。著者でイラストレーターのヤギワタル氏は、これまで200冊以上の書籍でイラストや装画を担当してきて、今回が初の単著となる。本書では、昨今の「言語化ブーム」に対して警鐘を鳴らし、「言語化“以外”に目を向けること」をイラストレーターならではの視点で面白く解説している。本記事では、その中からビジネスパーソンにも役立つノウハウとして紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
会話がめちゃくちゃうまい人
「ちゃんと準備しておいて」
「もっと普通にやってよ」
「いい感じでお願いします」
仕事でも日常でも、こういう「曖昧な言葉」は大量に使われています。
そして、多くのすれ違いは、ここから始まる。
『言語化だけじゃ伝わんない』という本では、「会話がうまい人ほど、“曖昧な言葉”をそのまま受け取らない」と語られています。
つまり、「その人が頭の中で何をイメージしているのか」を、少しずつ特定していくのです。
言葉は人によって意味が違う
本書では、まずこんな話が出てきます。
「準備しておく」という言葉は、みんな知っている。
ですが、前日に確認する人もいれば、1週間前からリストを作る人もいる。
つまり、「準備」という単語だけでは、中身がまったく共有されていないのです。
会話がズレる原因は「イメージの違い」
本書では、さらにこう続きます。
人は、「同じ言葉」を使っているだけで、同じ意味だと思い込んでしまう。
ですが実際には、頭の中のイメージが違う。
だから、「ちゃんと準備したのに怒られた」「普通に言っただけなのに伝わらなかった」みたいなことが起きるのです。
会話がうまい人は「イメージ」を探る
本書では、最後にこう語られています。
これは、コミュニケーションの本質です。
会話がヘタな人ほど、「言葉そのもの」を受け取って終わる。
一方、会話がうまい人は違う。
「この人の言う“準備”って、具体的に何だろう?」
「どこまでを想定しているんだろう?」
「どういう状態をイメージしているんだろう?」
と、「相手の頭の中」を見に行く。
だから、すれ違いが減るのです。
「言葉」ではなく「イメージ」
『言語化だけじゃ伝わんない』は、「会話力」の正体を教えてくれます。
それは、語彙力でも、話術でもありません。
相手の使っている「曖昧な言葉」を、そのまま放置しないこと。
そして、具体例を聞く。場面を想像する。範囲を絞る。イメージを確認する。
つまり、「言葉をイメージへ変換していく力」なのです。
だから、本当に会話がうまい人は、「わかりました」で終わらない。
「ちなみに、どういうイメージですか?」
「たとえば、どんな感じですか?」
そうやって、相手の頭の中にある「ぼんやりしたイメージ」を、一緒に輪郭化していく。
その積み重ねが、「この人とは話しやすい」を生み出しているのです。