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事故に自殺…「人の死」に関わったクルマはどこへ行く?中古車業界の“不都合な事実”


不動産業界では、いわゆる「事故物件」を売買・賃貸する際、売主・貸主は相手方に告知する義務がある。では、自動車はどうなのか。事故を起こしたり、車内で自殺が起きたりしたクルマを中古で販売する際、売り手側に告知義務はあるのか。「人の死」に関わったクルマが、何食わぬ顔で中古車市場に流通している可能性は――。中古車業界の“不都合な事実”を明かす。(自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子)

「事故物件」は告知義務アリだが
「人の死に関わったクルマ」は…

不動産取引においては、建物内で殺人・孤独死・自殺などが起きた場合に、次の買主や入居者に対して「心理的瑕疵(しんりてきかし)」物件として告知する義務がある。

こうした建物は、俗に「事故物件」と呼ばれる。不動産会社が事故物件であることを相手方に告知せずに取引し、成約後に発覚した場合は、不適合責任を問われて損害賠償や契約解除に発展するリスクがある。

では、私たちの人生において「不動産の次に高い買い物」とされる自動車の場合はどうだろうか?

結論から言うと、不動産とは事情が異なり、死亡に関する告知義務は課されていない。

クルマを売りたいオーナーや中古車販売店は、交通事故を起こして乗員が死亡したクルマや、歩行者をひいて死なせてしまったクルマ、車内で自殺が起きたクルマなどを売る場合に告知しなくても原則として法的問題はない。

中古車の取引で告知義務がある事項は、大きく二つ。

一つ目は、主要構造部の「修復歴」(修理・交換の履歴)である。機能性・安全性の観点から、クロスメンバー、ピラー、ダッシュパネル、ルーフ、リアフロアといった部分を修理した場合は、買い手に告知しなければならない。

二つ目は「冠水(水没)」だ。過去にゲリラ豪雨によって車内に浸水したり、事故で海に落ちたりした場合である。

一般消費者がこれらの経緯を知らないまま購入してしまうと、過去の浸水によってエンジンが始動しなかったり、電気系統に支障をきたしたりする恐れがある。最悪の場合は車両火災が起き、命にかかわる事故に発展しかねないため、買い手に伝える必要があるのだ。

ただし、中には中古車が水没していた過去を、販売業者が「意図的に隠す」ケースが存在する。

筆者の知るところでは、大手中古車販売店でクルマを購入した客が、別の整備工場に点検を依頼したところ「過去に水没していたのでは?」と指摘を受け、専門機関に細かく調べてもらった事例がある。その結果、冠水車であることが判明し、裁判の末に購入金額280万円が返金されたという。

こうした事例は他にもあるが、いずれも悪質だ。

だが、告知義務が課されないため、「人の死に関わったクルマ」が中古車市場に流通している可能性があることも、負けず劣らず恐ろしいのではないだろうか。ここからは、取材を通じて見えてきた、中古車の「暗い過去」を紹介したい。

車内で自殺が起きた
レンタカーの行方とは?

実名やエリアは伏せるが、筆者が取材した某大手レンタカー店によると、過去10年ほどの間に、利用者に貸し出したクルマの中で練炭自殺が3件発生したという(それぞれ別のクルマで起きた)。...

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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