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自社の強みを考えるときの、3つのポイントとは?


会社を伸ばす社長、ダメにする社長、そのわずかな違いとは何か? 中小企業の経営者から厚い信頼を集める人気コンサルタント小宮一慶氏の最新刊『[増補改訂版]経営書の教科書』(ダイヤモンド社)は、その30年の経験から「成功する経営者・リーダーになるための考え方と行動」についてまとめた経営論の集大成となる本です。本連載では同書から抜粋して、経営者としての実力を高めるための「正しい努力」や「正しい信念」とは何かについて、お伝えしていきます。

差別化とは、自社の強みを活かすこと

差別化と言っても、どこで差別化するかを間違えると、かえって失敗してしまいます。

大切なのは、自社の強みを活かすことです。

もちろん、お客さまの求めているQPSに合致していなければ、いくら差別化しても勝てませんから、それを見極めることが前提です。そのうえで、内部環境を分析し、自社の強みを生かした差別化を図るのです。

例えば、大企業と中小企業は、それぞれに違う強みを持っています。

中小企業の強みを挙げるなら、一つは大企業よりも人件費などのコストを安くできる可能性があることです。特にサービス業の場合は、コストの面で大企業より安く抑えられます。

大企業は、総じて人件費や管理コストが高いからです。その他、小回りが利く点なども強みです。人数が少ない分、やり方によっては教育も徹底できます。

逆に大企業なら、製造業であれば大規模に生産できますから、それだけ売上原価を安くすることができます。製造のみならず、調達においても規模のメリットが強みになるわけです。

また、中小企業よりもよりクオリティの高い商品を研究開発する能力もあるでしょう。何より大企業は資本を持っていますから、大規模な資本がなければできないこと、例えば電鉄会社や、半導体製造設備を作る、車を作るなど、中小企業がやりたくてもできないことができるという点もあります。資本の優位性を活かすということです。

この他にも、大企業、中小企業にかかわらず、製造能力や接遇、あるいは顧客基盤など自社が持っている強みを活かして、優位性をQPSのどこで出していくのかを考えることで、差別化するのです。

強みとは相対的なもの

この際に、強みとは相対的なものであるという認識が必要です。以前にも説明したように、ライバル他社の動向や提供するQPSを定期的に客観的に分析したうえで、「自社の強み=お客さまから見た他社との違い」が何なのかを知っておく必要があります。

逆に言えば、差別化するためには、自社に強みがあることが大前提となるわけです。それを商品・サービスに落とし込むのです。

そのためには、お客さまやライバルを見ながら、内部環境を分析し、強みがどこにあるのか、将来にわたってその強みを維持できるのかについての見極めや強みの強化が必要なのです。

もちろん、その前提として、お客さまが求めるQPSの組み合わせを見極めなければなりません。

さらには、これから先の世の中がどう変わっていくのか、変わった世の中でも自社の強みが強みとしてあり続けられるのかも常に検討しておくべき課題です。

「事業ドメイン」を考える、
「世界一」「ワクワク」「経済的原動力」

もっとも、他社との違いを出すことが大切だとは言っても、何でもかんでもやればいいというものではありません。

これはミッション・ビジョン・理念とも関係しますし、自社の強みを活かすということとも大いに関係しますが、何をもって他社との違いを明確にするかということを、ある程度規定しておくことが必要です。

専門的な用語で説明するなら「事業ドメイン」を考えるのです。

「ドメイン」とは「領域」という意味で、どこの事業領域で自社が勝負していくのかを、きちんと考えておかないと、会社はうまくいかないということです。

ピーター・ドラッカー先生は、その事業領域を決める際に、「目的」「市場」「強み」を分析するとしています。私がここまで説明してきた「ミッション、ビジョン、理念」「外部環境分析」「内部環境分析」と言っているのとほぼ同じです。

さらには、飛躍的に業績を伸ばした企業や経営者を研究した『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』(ジェームズ・C・コリンズ著、山岡洋一訳、日経BP)には、興味深い記述があります。

飛躍的に事業を伸ばした会社では、「世界一になれる分野」「働く人がワクワクすること」、さらにはそれが「経済的原動力となる」三つのことが重なる分野を選んでいるとしています。

世界一になれるということは、それだけ強みを活かして特色のある商品やサービスを提供しているわけです。

働く人が、そのことでワクワクする、つまり、働きがいを感じることでモチベーションが上がることも大切です。

さらには、そのことが経済的にも会社に貢献することも重要です。強みを活かした世界一の分野や商品、サービスを持つ会社で、そのことにより働く人もワクワクしても、その事業がキャッシュ・フローを生まないのでは、事業は続きませんし、会社にも社会にも貢献しないのです。

その経済的原動力となることに関連して、適切な「KPI(Key Performance Indicator):重要業績評価指標」、例えば、一人の時間当たりの生産性(付加価値額)、坪当たり売上高など、を決めることも重要としています。

(本稿は『[増補改訂版]経営者の教科書 成功するリーダーになるための考え方と行動』の一部を抜粋・編集したものです)

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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